観光客もその場で接種、「駅でワクチン」NYの現状 中南米からの訪米者急増、日本からの渡航者も
先進国を中心にワクチン接種が進む中、次のステップとして課題となるのが「各個人がワクチンを接種した事実をどう認証するか」という点だ。
感染抑制のため、各国はこの「認証」という課題を先送りして、まずはワクチン接種を先行させる方策に出た。ここへきて認証に対する方向性が示されつつあり、日本でも政府がワクチン接種証明書の発行に向けた検討を進めつつある。
ワクチンの接種を受けることで、コロナ感染のリスクは低下すると考えられる。しかし、各国を飛び回るビジネスパーソンなどが外国を訪れる際に毎回コロナ陰性証明を取得する必要があったり、入国後10日間を超える隔離を強いられたりすれば、せっかくワクチンを接種しても、渡航や移動に支障が出ることは避けられない。
出遅れれば経済復興の障害に
こうした課題を解決するため、例えば欧州連合(EU)加盟国では7月にも「EUデジタルCovid証明書」と呼ばれる認証システムの運用が開始される。これはワクチン接種歴、感染検査の陰性結果、コロナ罹患者ならその回復証明が、それぞれ別のQRコードで示されるというものだ。
各国ごとに入国承認の基準が異なる中、一目で必要書類や条件がわかるよう開発が進められているシステムもある。国際航空運送協会(IATA)の証明アプリ「IATAトラベルパス」は、陰性証明やワクチン接種歴をデジタル証明書としてアプリ上で管理することを目指す。
海外でこうした取り組みが先行する中、日本でもようやく検討が進みつつある。だが、はたして国際的な接種歴データや陰性証明などの認証システムにスムーズに対応できるだろうか。他国では低廉な費用で素早くアプリに証明データが取り込めるのに、日本では煩雑な手続きや高額の費用がかかるということになれば、コロナ禍後の経済復興におけるスタートダッシュの重荷のひとつになりかねない。
「アメリカで接種したほうが認証が楽だった」といった結果になるのは望ましくない。ワクチンの接種で日本が後れを取る中、こうした接種の証明などの点でも出遅れることがないよう、具体的な方策が望まれる。
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