今年の私立大学一般選抜はまさに大激変となった。大学入試改革初年度に当たるため注目度は高かったが、戦後最大となる12%もの志願者減となった。私立大志願者は2年連続の減少。ほとんどの私立大で志願者が減った。
その中で志願者トップは8年連続で近畿大学。それでも昨年に比べて1万人近くに当たる6.4%の志願者減。3年連続で志願者を減らすこととなった。近畿大学人気は高いが、難化も進んで敬遠されている面もある。2位は千葉工業大学で、この2校が志願者10万人超だ。昨年は8位の立命館大学までの8校が、順位は違えども10万人超えだったから激減だ。
早稲田は49年ぶりの10万人割れ
5位の早稲田大学は3年連続の志願者減で、1972年以来、49年ぶりに志願者数が10万人を割り込んだ。昨年より1万2917人、12.4%減の9万1659人にとどまった。同じく3位の明治大学も2006年以来、15年ぶりに10万人割れとなった。ほかにも21位の慶應義塾大学は4年連続の志願者減で3万6681人にとどまり、平成以降、最少の志願者数となった。
これだけ大きく減った理由は5つある。1つ目が受験生数の減少だ。高校卒業生数が昨年に比べて2.6%減で、浪人生は約2割も減った。2020年度から入試改革が行われるため試験内容がどうなるかわからず、昨年のうちに大学に進学してしまった受験生が多く、浪人する受験生が激減したのだ。
2つ目が受験生の併願校数の減少だ。とくに浪人生は現役生より後がない分、併願校が多めで、浪人生の減少は私立大志願者数減に直結する。さらに、現役生も併願校を減らした。
代々木ゼミナール教育総合研究所の坂口幸世主幹研究員は、「2年前ぐらいまでは、私立大はたくさん受けないと危ない状況だった」としたうえで、「昨年から私立大全体の倍率が下がり、それほど厳しくなくなった。また、今年の私立大出願の佳境である1月後半には、大規模私立大の多い都府県に緊急事態宣言が出されていたので、受験に行くことに二の足を踏んだ受験生も多く、それも志願者減に拍車をかけた」と話す。
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