最新!「志願者数が多い大学」ランキングトップ50 コロナや新入試の影響で軒並み志願者数減らす

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5つ目は各大学のコロナ禍への対応だ。昨年の大学1年生は急きょ、オンライン授業中心に変わった。前期だけでなく、後期もオンライン授業の大学は東京圏を中心に多かった。入学式は中止、1年生がキャンパスを訪れる機会はほとんどなく、健康診断のときだけ行った、まったく行ったことがないとする学生もいたぐらいだ。

クラブ・サークル活動やアルバイトもできず、友人ができない1年生も多くいた。小中高などでは昨年から対面授業を再開しているが、大学だけがいまだにオンライン授業中心だ。自粛というより萎縮が続いている。これが受験生に地元志向が強まっている理由でもある。

受験生にとっては、今年4月以降もオンライン授業中心なら、家から離れた大学に進学する意味があまりない。感染拡大地域にある大学に進学して、感染するのは避けたいとの考えもある。大学生活は単に授業を受けるだけではない。キャンパスでの友人や教員との対話や課外活動も重要だ。だが、その機会がないとしたら、実家から通学できる地元の大学に進学したほうがいいということになる。

そこで気になるのが、各大学のこの4月からのコロナ禍への対応だ。入試前に「原則、対面授業」と公表した私立大で、志願者が増えたところが目立った。12位の龍谷大学、23位関西学院大学、26位駒澤大学、29位上智大学などだ。こうした対応をしなかった大規模大学が志願者を減らしていると考えることもできる。オンライン授業のメリットはたくさんあるが、やはりキャンパスに通って授業を受けたいと願う学生が多いということだ。

「3C」が今年の入試の特徴

こうした5つの理由から、志願者が激減した。駿台教育研究所進学情報事業部部長の石原賢一氏は「今年の入試のポイントは3Cだ」と総括する。最初のCはコンパクト(Compact)のC。受験生は自宅から遠く離れた大学を受けない、過度な安全志向でもなく実力相応の大学・学部を受け、併願校をたくさん受けずに受験スケジュールを圧縮した。次はコンサバティブ(Conservative)で、受験生は保守的だった。早稲田大学、上智大学、青山学院大学(19位)のように、共通テストを活用した入試方式は敬遠され、志願者は集まらなかった。国の進める大学入試改革に沿った入試変化に拒否反応があったということだ。

最後はチープ(Cheap)で、学費の安い大学・学部、受験料が安い大学に人気が集まった。

大きく志願者が減った中でも、志願者が増えた大学もある。2位の千葉工業大学は昨年より5438人、5.3%増えた。入試広報部の日下部聡部長は、共通テスト利用入試の検定料無料が志願者増加につながったと話す。「コロナ不況を考えての措置で、出願者は国公立大との併願者が多く、優秀な受験生もいて実志願者が増えた。来年も検定料免除は続けたいと思っており、受験生に寄り添った施策を打ち出していきたい」。

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