現時点での傾向はこれまで記したように明らかだ。需要喚起した相手に、気に入る商品企画の物件を見せればいとも簡単に成約していく。それも在庫が少なく、早い者勝ちで物件が早々に消えていくのを目の当たりにすると、焦る気持ちは加速する。
「収束後」家のニーズはどうなる
しかし、ニュースが感染者数を伝えるといった偏った情報が過剰な時はいつまでも続かない。緊急事態であるパンデミックは終焉を迎えてしまえば、毎日の生活も働き方も元に戻るかもしれない。過去のスペイン風邪などのパンデミックの様子を記した本には、終焉すると誰もが忘れてしまうと書かれているものも多い。そうだとすると、家に対するニーズも以前と同様に回帰する可能性が高い。
賃貸の入居者は今のトレンドに乗ってもいいが、持家購入者はどちらに転んでも良いようにリスクバランスを取った方がいい。一方の供給者側は土地の仕入れから竣工までの開発期間が長いがゆえに、より慎重に商品企画する必要性がある。
その意味で、コロナ前までの稼働率の上昇トレンド、コロナ流行後の下降トレンドはほぼ直線的であることに着目すべきだ。コロナ流行後のトレンドが今後いつまで続き、その後にやってくると思われるコロナ前のトレンドの再来を予期して、2年後を見据えた判断が重要になってくる。需要が大きく変化する時には知恵が大きな結果の差をもたらす。有事ほど、歴史に学んだ賢者が勝者になるのである。
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