リニア開業を2年延期したJR東海、その隠された真意とは

拡大
縮小

次の焦点は、実質的に審議会に判断が任されたルート問題だ。直線ルートを目指すJR東海に対し、沿線の長野県は諏訪経由の迂回ルートを主張。審議会の中間取りまとめでルートが盛り込まれるかが注目点だが、公表時期は未定。来年以降の可能性もある。

「ベリー・ファースト!」。11日の山梨県でのリニア実験線。試乗した米ラフード運輸長官はそう叫んだ。JR東海は米国へのリニア輸出も計画。国内手続きさえ終わっていないリニアを、なぜ今、売り込むのか。

輸出が具体化すれば、日本での開業が前提となる。そうなると、政府も全面的に支援せざるをえない。専門家の間には「本当は国内を円滑に動かすことが狙いでは」との見方もある。であれば、ルート選定でもJR東海に追い風が吹くことになりそうだ。

■JR東海の業績予想、会社概要はこちら 

(堀川美行、大坂直樹 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT