「黙食・黙乗」の1人旅はこれからの旅のスタイルだ 感染リスク低く、会話はなくても自由がある

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鉄道ファンの友人たちはもちろん、Jリーグ観戦で顔見知りになった方々も1人もしくは夫婦のみで行動している。私のバンドにも遠方から観に来てくださる方々がいるが、大抵1人である。若い女性の知り合いでも1人で焼肉食べ放題に行く人や、1人でふらっと台湾やタイ、シンガポールに出かける人もいる。

ところが世の中では、旅行や食事というのは、仲のいい友人たちと連れ立って賑やかに過ごすのが主流であるようだ。私たちはむしろ少数派だったのだ。これは今まで意識していなかった。

けれども、一人旅のよさをあらためて申し上げておこうと思う。

何しろ誰とも会話しない。食事の注文や買い物をするときに声を発するぐらいである。黙食や黙乗という言葉を目にするようにもなった。最近では宿泊予約サイトを眺めていると「感染リスクの少ないおひとり様限定」というプランを見かけるようにもなってきた。

1人なんて寂しくないの?という意見も目にするが、その寂しさだって楽しみたい。最初は心細いかもしれないが、一度経験してみるとよさに気づくかもしれない。気分で寄り道しても行き先を変えてもいい。もちろん列車の乗り遅れや乗り間違い、遅延などトラブルもあるが、自分ががっかりするだけで誰にも文句は言われないし、むしろ後になって楽しい思い出に変わる。

安心感のある個室寝台

さて、今シーズン初のアウェー遠征となった、4月4日の京都戦である。春の京都、桜の季節、人出は多いだろう。京都には観戦のためだけに立ち寄ることにした。

今回の旅で使った乗車券(筆者撮影)

そこで四国に向かうサンライズ瀬戸の寝台券を確保した。いまや貴重な寝台列車、乗ることのできる機会が少しでもあれば行程に組み入れようと思ったのだ。サンライズは個室であるため、感染対策としての安心感も大きい。

香川を経由して徳島で宿泊、翌朝高速バスの京都行きに乗る算段をつけた。徳島と関西を結ぶバスは頻繁に運行されている。大鳴門橋・明石海峡大橋があるので、淡路島を突っ切って陸続きなのである。宿は鳴門とした。鳴門には、徳島ヴォルティス戦のときに見つけたお気に入りの定食屋があるし、高速鳴門バス停の近くには日帰りの温浴施設もある。

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