ヴェゼル対ヤリスクロス新型コンパクトSUV対決 先進性のホンダか、堅実な作りのトヨタか?

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駆動方式は、ヴェゼル、ヤリスクロスともに2WD(FF)と4WDを設定する。いずれも、SUVとして4WD性能に力を入れていることも特徴だ。

E-Fourのモードスイッチ(写真:トヨタ)

ヤリスクロスのハイブリッド車には、「E-Four」と呼ばれる電気式4WDを採用する。トヨタ車のコンパクトSUVで初採用されたこのシステムには、ぬかるみなどでタイヤの空転をブレーキ制御しスタック状態から脱出する「TRAILモード」、雪道など滑りやすい路面でスムーズな発進・走行を実現する「SNOWモード」も設定する。

また、ガソリン車では、路面状況に応じて「MUD&SAND」「NORMAL」「ROCK&DIRT」といった3モードから選択できる「マルチテレインセレクト」を用意。路面のさまざまな状況に応じたモード選択により、駆動力、4WD、ブレーキを最適に統合制御し、オフロードや滑りやすい路面での走破性を向上させる。なお、ガソリン4WD車およびハイブリッドのE-Four車には、下り坂で一定の低車速を維持する「ダウンヒルアシストコントロール」も搭載している。

リアルタイムAWDを採用するヴェゼル

対するヴェゼルの4WD車には、つねに4輪の駆動力を最適に配分し、雪上走行や悪天候においても安定した走行を実現する独自の「リアルタイムAWD」を装備する。後輪をプロペラシャフトで繋ぐ方式を採用し、先代に比べAWDのトルク容量を10%増加させるなどで、泥のぬかるみや雪道でも安定した走行を実現。また、山道などの急な勾配でも優れた登坂能力を発揮する。特にe:HEVシステムとの組み合わせでは、モータードライブの特長である大トルクを、素早く最適な駆動力配分とすることで、広範囲の路面状況でより安定感が高い走りを実現する。また、4WDだけでなく、2WDを含めた全車には、傾斜面でのスリップの危険を最小限に防ぐ「ヒルディセントコントロール」を、ホンダ車として初搭載している。

2車の4WDシステムで大きく違う点は、ヴェゼルには走行モードが設定されていないことだ。ホンダでは、システムが幅広い路面や走行状況に対応するため、あえてモード設定は用意しなかったという。一般的なSUVの多くが、ヤリスクロスのように路面状況に応じた走行モードを複数用意するのに対し、ヴェゼルは「オートマチック」に悪路走行ができるというのだ。ちなみに、ホンダ開発者によると、新しいリアルタイムAWDは、モード設定がないにもかかわらず、実走テストで「20%の勾配でも登坂が可能」であることが実証されているという。

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