ヴェゼル対ヤリスクロス新型コンパクトSUV対決 先進性のホンダか、堅実な作りのトヨタか?

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ヴェゼルe:HEV Z(FF)カジュアルスタイルの外観(写真:ホンダ)

e:HEVで最も独自性が高いのがハイブリッドモードだ。登坂時など高負荷走行時やバッテリー残量が少ないときに、エンジンの力で充電用モーターを回し発電し、その電力を使い走行用モーターで駆動。さらに加速時には、バッテリーからの電力も供給することで、走行用モーターがより大きな駆動力を発揮する。

加えて、e:HEV車には、アクセルを戻した際にしっかりとした減速を行う「Bレンジ」や、減速度を4段階で調整できる「減速セレクター」も設定する。下り坂でブレーキペダルを使う頻度を減らすことによる疲労軽減、カーブを曲がる際などに好みの減速度が選べるといった効果を生む。

燃費性能ではヤリスクロスが上回る

対して、ヤリスクロスのハイブリッド車は、シリーズ・パラレルハイブリッドという方式を採用する。発進時や低速走行時などはエンジンを停止し電気モーターのみで走行、車速が上がり通常走行する際は主にエンジンを使用する。また、急加速時などアクセルを強く踏み込んだ時や高速道路走行時は、モーターの動力が必要に応じてエンジンをアシストするシステムだ。なお、こちらにも、より減速度が大きくなる「Bレンジ」が設定されている。

2車のハイブリッド車では、燃費に差がある。ヴェゼルのe:HEV仕様がWLTCモード総合で22.0~25.0km/Lなのに対し、ヤリスクロスのハイブリッド車はWLTCモード総合で26.0~30.8km/L。ヴェゼルもe:HEVの採用で先代のハイブリッド車よりも燃費は向上している。だが、プリウスから始まり、長年熟成されてきたトヨタのハイブリッド技術を採用したヤリスクロスの方が、カタログ数値を見る限り燃費性能は上だ(もちろん、実燃費は走行状況などで変わるため、両車に圧倒的な差が生じることはないだろう)。

一方、ガソリン車では、ヴェゼルが4気筒、ヤリスクロスは3気筒のエンジンを搭載する。ヴェゼルのエンジン車では、フィットにも採用した新開発のCVTをベースに、ギヤのローレシオ化を図り最適化を図った。これにより、発進時はスムーズで扱いやすく、加速時にはリニアで爽快な加速フィールが感じられるよう改良されている。

ヤリスクロスのエンジン車は、熱効率の向上を図るなどで、低回転域からトルクフルな加速感と高い燃費性能を実現しているのが特徴だ。特に燃費は、ハイブリッド車ほどではないがかなり良好で、WLTCモード総合で17.4~20.2km/L。ヴェゼルのガソリン車がWLTCモード総合で15.6~17.0km/Lであるから、ガソリン車においても、燃費性能はヤリスクロスに軍配が上がる。

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