新「Q4 e-tron」に見るアウディ電動化攻勢の凄み 今年発売される新モデルの半数以上を電動化

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そして、そのわずか2カ月後に発表されたQ4 e-tronおよびQ4 e-tron Sportbackは、フォルクスワーゲングループのコンパクトセグメントEV専用プラットフォーム「MEB」を採用したものだ。これを使ったVWのID.シリーズ(ID.3やID.4など)が欧州ではすでに発売されている。

続いて4月の上海モーターショーでは、Audi A6 e-tron conceptを発表した。これはアウディとポルシェが共同開発してきた新世代の電気自動車用プラットフォーム「PPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)」をベースとしたモデルだ。

Audi Q4 Sportback 50 e-tron quattro(写真提供:アウディ)

PPEは、これまでに例のないほど幅広いモデルに対応できるよう設計された最初のEV専用プラットフォームだ。

Audi A6シリーズといった車高の低いモデルをはじめ、背の高いSUVにも対応。

今後はミッドサイズからラージサイズまで、フォルクスワーゲングループに属するすべてのブランドをカバーする主要骨格となる。ちなみにポルシェでは次期型マカンが、このPPEを使ったモデルになるとアナウンスされている。

フォルクスワーゲングループの電動化攻勢の急先鋒

アウディは、このPPEを使った車両を欧州と、最大市場である中国の両方で生産する予定だ。現在、長春に新工場が建設されており、2025年までには、PPEを採用したアウディの電気自動車を生産する計画だ。アウディと合弁パートナーであるVAW-Volkswagen(一汽大衆)が共同で運営するという。

電気自動車製造においてコストのかさむプラットフォーム、バッテリーなど、フォルクスワーゲングループは一丸となって、それらの量産効果を最大限に発揮する戦略をとっている。そして、その電動化攻勢の急先鋒となるブランドが、アウディということのようだ。

(文:藤野太一)

藤野太一(ふじの・たいち)/モータージャーナリスト。大学卒業後、中古車情報誌「カーセンサー」、カーセンサーエッジの編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。国内および海外での新型車試乗はもとより、自動車関連をはじめさまざまな分野のビジネスマンを取材する機会も多く「日経ビジネス」などにも寄稿。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。
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