橋下徹「首相、自治体首長は真っ先にワクチンを」 視聴者投票「容認できる64%」、非常時だからこそ
医療従事者や高齢者へのワクチン優先接種が進む中、「賛否が割れる問題」が浮上している。
それは、接種キャンセルで余ったワクチンを、町長など自治体トップが接種している実態だ。
茨城・城里町では4月4月、医療従事者162人を対象にしたワクチン接種が行われた際、12人分のキャンセルが生じ、上遠野修町長や副町長、教育長など町役場の計12人が接種を受けた。
上遠野町長は「キャンセル分を破棄しないために打ったもので、後ろめたさはない」、「診療所の開設者である私も医療従事者の一員。ワクチン接種事業の停滞をさせないため接種をした」と説明した。
同様の自治体トップの接種は、兵庫・神河町や岐阜・下呂市などでも行われており、一部からは「上級国民批判」も起きている。
この問題をどう考えるべきか。
代わりのいないトップは真っ先に接種すべき
16日放送のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」は、データ放送「dボタン」を活用した視聴者投票を行った。「自治体トップが高齢者より先に接種することを容認できるか」との設問に、回答総数5万5,597を得て、「容認できる64%、容認できない36%」との結果となった。
感染症対策で菅首相のブレーンである内閣官房参与の岡部信彦氏は「ワクチンはいつまでも保管できないですから、身近なところで優先的な人に接種するのは『あり』だと思う」、「細かい話でやっていると、結局、進まなくなってしまうと思う」と述べた。
番組のレギュラーコメンテーター・橋下徹氏は「まずは自治体のトップ、それから総理は真っ先に接種すべきだ」と述べたうえで、今回、批判がおきた背景について「国民から有事のときに『政治家が重要なのだ』と思われていない」からだ、とした。
しかし、茨城・城里町の町長の説明は「政治家の説明じゃない。思想がない」、「副町長や教育長の接種はダメだ。代わりがいる」と苦言を呈した。
ジャーナリストの櫻井よしこ氏は「日本に欠けているのは“非常時の感覚”だ。ワクチンは戦略物資だ。どこの国でも非常時の態勢をとってやっている。だから(日本でも)総理が打つと同時に自衛隊も打たなきゃいけないし、海上保安庁も警察も消防団も、そして各自治体の首長さんも打たないといけない」と強調した。