ホンダ「レジェンド」レベル3運転は何がスゴいか 高速道路で乗ってわかった自動化技術の実力

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車両制御の操作スイッチは右側に集約(筆者撮影)

このシナリオとは別に、強めのブレーキ操作を行い割り込み車両との接触を回避する方法もあったはずだ。

しかし、トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)の作動条件には「自車が前後車両に挟まれていること」があり、事実、自車後方には複数台の車両が連なっていた。よって、自車の急な減速によって後続車からの追突を誘発してしまう可能性が考えられた。

具体的に本事象では、自車は秒速12m以上で走行していていることから、ほぼ同じ速度で走行する後続車(ルームミラーでの目測車間距離は10~12m程度)が、こちらがとっった急減速に反応しきれないリスクも考えられた。

さらに自車の右隣、第二通行帯には車両がおらず回避スペースがあり、割り込み車両が自車の前で急減速したとしても、ドライバーがステアリング操作で回避(隣に車線変更)すれば危険回避率が高められるというシビアコンディションでのシナリオも描いたものと推察する。

状況予測のためにどんな仕組みが備えられているか

こうした状況予測は、車両前後に配された分解能の高い5つのLiDARと、耐候性の高い5つのミリ波レーダー(長距離タイプ1/中距離タイプ4)、そして12個の超音波ソナーがフル稼働することで成り立っている。

加えて前方二連装の単眼カメラ(ステレオ方式ではなく、単独カメラを2重にした冗長性設計)と、車両前後左右4つの光学式カメラが車線区分線を確実にとらえ、そこに全地球測位衛星システムとの情報が加味され、横方向の自車位置推定は誤差5㎝程度まで高められた。

こうしてHonda SENSING Eliteは市販車として現在、考えられる最高峰のフュージョンセンサー方式をもって、人の手による複雑な交通環境で安全の担保を目指すのだ。

このほかHonda SENSING Eliteでは「高度車線変更支援機能」を使うことで、③自動化レベル2/ハンズフリーモード時に、システムが自動的に車線変更して遅い先行車を追い越して、安全な車間距離が保たれた後に、再度、自動的に元の車線に戻ることが可能だ。

これは国際基準の自動操舵領域(R79)のうち、「連続自動操舵/システム稼働時、連続的に自動で車線維持と車線変更」に属し、現在考えられる最も上位機能であり、「カテゴリーE」と呼ばれる。

ちなみに、スバル「レヴォーグ」が搭載する「アイサイトX」は「自動車線変更①/ドライバーのウィンカー操作が起点」に属し「カテゴリーC」と呼ばれる。また、日産「スカイライン」が搭載する「ProPILOT2.0」は「自動車線変更②/システムの判断をドライバーが承認して行う」に属し、「カテゴリーD」と呼ばれる。

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