ホンダ「レジェンド」レベル3運転は何がスゴいか

高速道路で乗ってわかった自動化技術の実力

車間距離設定は状況ごとに調整可能(写真:ホンダ)

車間距離は4段階からディスプレイ上は設定できるものの、ここではさらに一段上「やや近い」が自動的にカットされ、調整幅は「遠い/やや遠い」の2段階になる。また、ACC機能での前走車追従にかかる加速/減速度はともに最大値こそ②と③の各モードと同じながら、快適性を重視したゆっくりとしたものに変更される。

前述のとおり、レベル3に相当するHonda SENSING Eliteの渋滞運転機能は、30㎞/h以下で稼働、上限は50㎞/hまで。50㎞/hを超えるとTOR(Take Over Request/この場合はドライバーへの運転再開要求)が発報され、ドライバーがステアリングを握って運転する②自動化レベル2/ハンズオンモードが求められる。

1段階下の③自動化レベル2/ハンズフリーモードを通過して④→②へ2段階下げる理由は、ドライバーへ運転操作の権限が戻り、ドライバー責任となることを明確に伝える設計思想からくる。言い換えれば、「ドライバーさん、運転操作してください」というシステムからの意思表示である。

自動運転モードでステアリング操作を意図的に行うと?

さぁ、ここからがハイライトである。④自動運転モード稼働中で上記A/B/Cの3つがフリーであるとき、ドライバーが意図的にステアリング操作を行うとどうなるのか。俗に言うドライバーのオーバーライドだ。隣車線のクルマが急接近してくるなど、周囲の交通環境によっては割とよく求められる危険回避シチュエーションである。

ここでのドライバーによる意図的なステアリング操作は①手動運転時と同じく、入力したとおりに受け付けられる。EPS(電動パワーステアリング)の操舵フィール(ステアリングの重さ)も通常時と同じだ。

ただ、ドライバーのオーバーライドを受け付けると、自動的にシステム制御は②ハンズオンモードへと2段階下げられる。この自動的なモード変更は、渋滞運転機能が上限速度である50㎞/hに達した際と同じ内容で、自動化レベルも2へと1段階下がる。

このとき、モードと自動化レベルが下がったことを示すチャイムは「ピン↗ポン↘」と音色の落差を強調して聴覚効果を高める。

レベルが上がったときとは逆に落差で下がったことを表現しているのだが、ややわかりにくい。システムの自動化レベルの低下は、ドライバーの手動運転レベルの向上を求めることと同義なので、この音量はもう少し大きく、理想をいえば緊張感が伝わる別の音域への変更や、音そのものにエコーを効かせても良いと思う。人の意識はシステムの制御変更のように瞬時に変えられないからだ。

ただし、頻繁な音の変化は煩わしさを伴う。Honda SENSING Eliteでは、センターディスプレイ左脇にドライバーモニターカメラが設置され、ドライバーの姿勢や顔向きなどつねにモニタリングしていることから、正対していない、もしくは運転操作への集中度が足りないと判断された場合のみ、音量大/音域変更とすれば煩わしさも減るのではないか。

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