5歳から育つ「メタ認知」が生きやすさを左右する 物事の「捉え方」しだいで、感情は変わるもの
子どもたちがどのような捉え方をしているのか、自分で気がつけるように、悲しんでいるときや落ち込んでいるとき、話ができるタイミングをみて、「頭の中でどんな声がする?」「どんなことが頭に浮かんでいる?」「自分になんて話をした?」といったかたちで質問をしてあげましょう。その質問について子どもがあらためて自分自身でよく考えてみることで、自分の捉え方に気がつくことができるようになり、それがメタ認知獲得の第一歩となります。
11歳の男の子の例
私が過去、勤務していた学校であったある出来事を例に、ご紹介しましょう。
あるとき、11歳の男の子が、お兄ちゃんに強い口調で怒られたと落ち込んでいました。「お兄ちゃんは僕が大嫌いなんだ」と言い、いつもは喜んでいた英語のレッスンも上の空でした。そこで私は、「お兄ちゃんにきつく怒られて、悲しいのね。そのとき、心の中の人は何か言っていた?」と聞きました。するとその子は「お兄ちゃんは僕が嫌いだから怒るんだ。バカだって思っているんだよ。もう一緒には遊べないと思う」と言いました。
その捉え方を口にしてくれたことがきっかけとなり、私たちはその後「人は大好きな人に対しても怒ることがあること」「怒ったからといって嫌いになるわけではないこと」など、別の物事の見方についても話し合うことができました。
このように、子どもたちに状況の捉え方を聞くことで、その捉え方を変えていくような関わりができるようになります。捉え方を認識できる質問を重ねながら、徐々に育てていきましょう。
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