5歳から育つ「メタ認知」が生きやすさを左右する 物事の「捉え方」しだいで、感情は変わるもの

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子どもたちがどのような捉え方をしているのか、自分で気がつけるように、悲しんでいるときや落ち込んでいるとき、話ができるタイミングをみて、「頭の中でどんな声がする?」「どんなことが頭に浮かんでいる?」「自分になんて話をした?」といったかたちで質問をしてあげましょう。その質問について子どもがあらためて自分自身でよく考えてみることで、自分の捉え方に気がつくことができるようになり、それがメタ認知獲得の第一歩となります。

11歳の男の子の例

私が過去、勤務していた学校であったある出来事を例に、ご紹介しましょう。

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あるとき、11歳の男の子が、お兄ちゃんに強い口調で怒られたと落ち込んでいました。「お兄ちゃんは僕が大嫌いなんだ」と言い、いつもは喜んでいた英語のレッスンも上の空でした。そこで私は、「お兄ちゃんにきつく怒られて、悲しいのね。そのとき、心の中の人は何か言っていた?」と聞きました。するとその子は「お兄ちゃんは僕が嫌いだから怒るんだ。バカだって思っているんだよ。もう一緒には遊べないと思う」と言いました。

その捉え方を口にしてくれたことがきっかけとなり、私たちはその後「人は大好きな人に対しても怒ることがあること」「怒ったからといって嫌いになるわけではないこと」など、別の物事の見方についても話し合うことができました。

このように、子どもたちに状況の捉え方を聞くことで、その捉え方を変えていくような関わりができるようになります。捉え方を認識できる質問を重ねながら、徐々に育てていきましょう。

足立 啓美 一般社団法人日本ポジティブ教育協会代表理事

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認定ポジティブ心理学コーチ。メルボルン大学大学院ポジティブ教育専門コース修了。国内外の教育機関で10年間の学校運営と生徒指導を経て現職。現在は、ポジティブ心理学をベースとした教育プログラムの開発、小学校〜高校、適応指導教室などさまざまな教育現場で、レジリエンス教育の講師として活躍中。ポジティブメンタルヘルスや組織開発にかかわる企業研修、ポジティブ心理学コーチとして管理職向けコーチングも行う。共著に『子どもの「逆境に負けない心」を育てる本』(法研)、『イラスト版子どものためのポジティブ心理学』(合同出版)、『見つけてのばそう! 自分の「強み」』(小学館)がある。

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