5歳から育つ「メタ認知」が生きやすさを左右する 物事の「捉え方」しだいで、感情は変わるもの

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幼少期の一大事といえば、友達とのケンカです。子どもにとっては、友達は毎日が楽しくなるのか不安なものになるかのカギを最も大きく握っている存在。一度ケンカしたり、気まずい間柄になったりしてしまうと、この世の終わりというほど落ち込んでしまうものです。大人になって振り返ると不思議に思えますが、みなさんにも、子ども時代にこうした思い出が少なからずあるのではないでしょうか。

たとえば、ある子は親友とケンカしてしまったとき「私がすべて悪いんだ……。これから誰も友達になってくれない……」と考え、悲しく不安な気持ちになり、深く落ち込みます。その一方で、「意見の違いで友達とケンカすることはある。きっとまた仲直りできる」と考える子もいます。そして後者の子は「どうしたら仲直りができるか?」といった、問題を乗り越えるための解決法についても、考えを進めることができます。

「親友とケンカした」という同じ状況に対しても、人によってその捉え方で、反応や行動はまったく違うものになるのです。

出来事に対しての捉え方が感情を決める

この違いがなぜ生まれるのかというと、先のとおり、物事の捉え方が違うからです。多くの人は、「うまくいかない状況や出来事のせいで自分は嫌な気持ちになる」と思っています。しかしながら、実は出来事と感情のつながりはそれほど強くはありません。

私たちの感情を決めるのは、その「出来事自体」ではなく「出来事に対してどのように捉えるか?」ということなのです。

私たちは、何か出来事が起こると、これまでの経験や情報をもとに、その状況や出来事について自分なりの解釈(捉え方)をします。そして、その解釈(捉え方)によって感情が湧き上がり、それにもとづいて行動をします。その一連の流れは一瞬にして起こるので、あたかも「状況がすべてを決めている」「この出来事が私を嫌な気持ちにさせている」と感じてしまうのです。

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