「怒りでパニック」の子を落ち着かせる簡単な方法 長期間の「ネガティブ感情」にはサポートが必要

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子どもに「ネガティブ感情」を持たせたままにせず一緒に乗り越える方法(写真:Pangaea/PIXTA)
「なんでできないの? 」
「そうやってやる気がないからダメなんだ」
「そんなクヨクヨしないの!」
“ストレスに弱い” “自信がない” “すぐあきらめる”──。子どもにそんな様子が見られると、ついついこんな言葉をかけてしまいがち。
逆境に負けず、心の強い子どもに育てるには、いま注目のキーワードである“レジリエンス(立ち直る力、逆境を乗り越える力)”を鍛えることが必須です。そして、このレジリエンスは、子どもを批判したり、非難する言葉では育たないのです。
新著『子どもの心を強くする すごい声かけ』では、毎日の子どもへの声かけで、レジリエンスを育む秘訣が紹介されています。本稿では、前回に引き続き、同書から一部を抜粋しお届けします。

子どもを「ネガティブ感情」から引き離すサポート方法

前回の記事でお伝えしたように、ネガティブな感情は人間の生存本能として、自分を守るために必要です。しかし、長期にわたり抜け出せなかったり、ストレスが重なったりすると、脳も体も興奮させる交感神経が活性化された状態が続くため、将来的に問題行動や心身の問題が起きてくる可能性もあります。

そのため、なるべく早くストレスを感じる状態から解放させてあげる必要があります。

まずは、ネガティブな感情が引き起こす、脳の興奮状態について知っておきましょう。ネガティブ感情の反応(とくに不安や怒り)は、脳の「扁桃体」の働きが関係しています。扁桃体は「脳の門番」とも呼ばれていて、危険に対してすぐに対応できるように、つねに厳戒態勢をとっています。

この扁桃体がネガティブ感情に反応して、副腎からアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンを分泌する指令を送ります。すると、心拍数や血圧が上昇して体は緊張状態となり、いわゆる「戦うか・逃げるか・固まるか」という反応をすることで自分を守ろうとします。

次に、怒りの感情で子どもがどんな反応を起こすか、どのように落ち着かせるか、よくあるシーンで見ていきましょう。

次ページ8歳の女の子の例
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