「日経平均は下落」と決めつける人が見逃す真実 「悪材料満載」でも相場はさほど下がっていない

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ニューヨーク連銀景況指数は3月17.4、4月26.3。フィラデルフィア連銀景況指数は3月44.5、4月50.2である。さらに、鉱工業生産指数は2月104、3月105.6。非農業部門雇用者数が2月46.8万人、3月91.6万人。小売売上高を見ると、前年同月比で2月が6.7%、3月に至っては27.7%だ。このように、着実に回復していることがわかる。

欧州も日本も「上向き」

では、欧州はどうか。先日発表された2021年1~3月期フランスGDP(国内総生産)速報値は前期比+0.4%と、2020年10~12月期の▲1.4%を上回った。だがドイツは▲1.7%と、2020年10~12月期の+0.3%を下回った。

さらにユーロ圏は前期比▲0.6%と、2020年10~12月期の▲0.7%に続いて2期連続のマイナス成長で、定義でいえば景気後退期に入ったことになる。ただ、これらの低調な数字は、ワクチン接種の拡大とともに「回復」に向かいそうだ。

一方、日本においては日銀の「展望レポート」で、今年度の生鮮食品を除いた消費者物価指数が、政策委員の見通しの中央値でプラス0.1%となった。

これは、前回の1月時点のプラス0.5%から見れば引き下げとなる。だが、今年度の実質GDP伸び率については同プラス4.0%と、前回のプラス3.9%から逆に引き上げられた。インパクトこそないものの、前回からは着実に上昇している、といえそうだ。

さらに、マネーストック3月のM3(現金、銀行などの預金)の平均残高は前年同月比8.0%増の1490兆円と過去最高となった。この発表数字で、需給相場がしっかり続いていることが確認された。5月第3週には4月の数字が発表されるが、再度の確認となろう。

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