「期待なし」が巨大ビルへ、名古屋駅の大発展史

明治の鉄道黎明期にも「名古屋飛ばし」計画が

ツインタワーがそびえたつ名古屋駅(写真:PIXSTAR/PIXTA)

2021年4月16日から公開された人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』には、東京―名古屋間で建設が進む中央リニア新幹線を彷彿とさせる「真空超電導リニア」が登場する。劇中で真空超電導リニアが発着するのは新名古屋駅という架空の駅だが、新名古屋駅は2005年に名鉄名古屋駅へと改称されるまで名古屋鉄道の駅名として実在していた。

名古屋は東京・大阪と並ぶ3大都市に数えられる。トヨタ自動車といった世界に名だたる企業を擁していることから日本経済界での存在感も大きい。その玄関となるのが名古屋駅だ。新幹線をはじめ、東海道本線や中央本線、関西本線などのJR各線、名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)、名古屋市営地下鉄などが名古屋駅から発着する。厳密には名古屋駅とは異なるが、近畿日本鉄道の近鉄名古屋駅や名古屋鉄道の名鉄名古屋駅も同一の駅といって差し支えない。

明治版「名古屋飛ばし」

名古屋駅は名古屋市のみならず中京圏の発展に大きく寄与してきた。しかし、明治初期は政府から期待されておらず、明治版“名古屋飛ばし”ともいえるような計画が進められていた。

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1872年に新橋(後の汐留)駅−横浜(現・桜木町)駅間が開業し、1874年には神戸駅―大阪駅間が開業する。その後、1876年には京都府の向日町駅まで線路が延伸。ここから、政府や鉄道当局は本格的に東西両都の鉄道を結ぶ計画を進めていく。

政府内から東京と大阪を結ぶことに異論は出なかった。問題は、どこに線路を建設するのか?というルートの問題だった。東京と大阪間の交通路は江戸時代より東海道と中山道が整備されていたが、東海道は平地が多く開けていた。また、沿線人口も多いだけに、需要も見込めた。

しかし、政府は鉄道を軍事輸送の手段として捉え、収支は二の次だった。海沿いに線路を建設すると敵国の艦隊から攻撃される危険性が高い。そうした理由から、軍部は東海道ルートを嫌った。軍部の意見は政府の意向も左右し、鉄道建設は中山道経由の方針が固まる。そして、中山道に建設される鉄道資材は船で知多半島へと回漕され、そこから陸送する手順が整えられた。

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