なぜNHKが独走?「歴史番組」の知られざる歴史 民放地上波では短命に終わってしまう理由

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歴史番組について解説します(写真:Josiah/PIXTA)
歴史を教養として、あるいはオトナのエンタメとして楽しむ「歴史番組」は、やはりNHKがその中心を担ってきたことは間違いない。1970年放送開始の「日本史探訪」から現在までの主な番組史を紐解いてみた。

NHK「日本史探訪」がレギュラー番組の最初

主に教養としての歴史を扱ったレギュラー番組の最初は、1970年4月放送開始のNHK「日本史探訪」とされる(NHKアーカイブス「NHK放送史」より)。毎週22時台の30分番組で、日本史における著名な人物や出来事をテーマに、人気作家の海音寺潮五郎、司馬遼太郎、松本清張などをゲストに招き、毎回ゆかりの場所を訪ねる現地取材とともに歴史の深淵部に迫るというものであった。

『GALAC』2021年5月号の特集は「歴史番組に学ぶコロナとの付き合い方」。本記事は同特集からの転載です(上の雑誌表紙画像をクリックするとブックウォーカーのページにジャンプします)

同番組は1976年に「新日本史探訪」と改題され、1978年2月まで放送された。取材映像と有識者の解説(スタジオトーク)を組み合わせた歴史番組の一つのひな形は、この番組から生まれたといえるだろう。

そして歴史学者の磯田道史氏が「小学校時代に衝撃を受けた」という新たな歴史番組が1978年にスタートする。NHK「歴史への招待」である。司会の鈴木健二アナウンサーの名調子と取材映像、作り込んだスタジオセットなどにより、日本史のさまざまな出来事を詳細かつわかりやすく解説する本格歴史番組だ。

同年4月6日の第1回放送のテーマは「安政大地震」。その後「旗本八万騎」「実録鬼平犯科帳」「江戸城総攻め」と続く。そのテーマの切り口は、年表に太字で記載されているような誰もが知る史実だけではなく、いわば教科書に載らないサイドストーリーが数多く取り上げられており、歴史好きの人には新鮮かつ刺激的な番組に映ったことだろう。

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