前述の「2020年度大学生の学びと環境」調査では、多くの大学生がオンライン授業の録画公開を希望していました。履修がかぶらなくていいといった真面目な理由もありながら、YouTubeやアマゾンプライムなど動画視聴習慣が根付いている世代からすれば、オンデマンド授業というのは極めて自然な形態なのかもしれません。録画授業であれば自分の好きな時間に視聴できるし、映像を1.5倍速や2倍速で見るといった”時間の有効活用”もできます。
また「オンラインでも理解しやすいように工夫してほしい」とか「単調な授業をやめてほしい」といった“授業内容”についての要望に関する数値も高く出ていました。教える側と学ぶ側の動画やオンライン全体に関するリテラシーの格差が如実に表れています。これからの大学の先生はユーチューバー的スキルを磨く必要が出てくるかもしれません。
一方で、オンライン授業を受けているほうの学生は、基本的にはカメラオフが当たり前となっています。カメラオンにすることを強要しにくいこともあり、大学の先生の間では、カメラオンにしてくれた学生の多さで人気を競っているというトホホな話もあるほどです。
リモートネイティブが社会人に
また彼らはテレビ会議システムのバーチャル背景を使いこなすのも得意です。自分の姿が写っている写真をバーチャル背景として使用し、あたかもちゃんと授業を受けているようにみせかけ、本人はベッドで寝ているという猛者のエピソードもあります。
授業だけではなく、生活全般においてリモートが当たり前になってきた中、友達との交流スキルもあがっています。オンライン飲み会でも、モニター越しで盛り上がれるゲームなどを開発したり、友達同士で同時に同じミュージシャンの曲を聴いてリモートライブを共有の体験としたり。モニター越しのコミュニケーションをポジティブに楽しむ大学生もでてきました。
そんなリモートネイティブの第1世代にあたるのが2022年卒学生。いま就活中で、まさに企業が採用しようとしている学生、つまり来春社会に出てくる新入社員世代です。
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