営業が下手な人が知らない「刺さる」ほめ方 相手にとって重要なことで「違い」を訴えよう

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Mさんの仕事力をほめるために必須である、「Mさんが仕事上でダイジにしていること」がわかりました。なによりもお客さまの喜びがダイジ。

『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

そしてそれを実現しつづけるために、仕事力としては、「①相手の立場に立つ姿勢」「②採算管理の数字力」「③提案力」が重要ということでした。ここでほめるのが難しいのは、「③提案力」の部分でしょうか。①②はMさん自身、自信をもっているので思い切りほめてOK。

でも③は、本人が「足りない」と自覚しているのでただ「すごい」というのは明らかに逆効果(もしくは誤解のもと)です。こういうときは、その絶対的レベルでなく、成長性や努力をほめるのが、良策でしょう。

これでMさんは、元気を取り戻してくれるでしょうか。

(出所:『一瞬で大切なことを伝える技術』)

自分をほめる

ここまでは、相手をほめる話でした。

でも店頭接客や営業でもっとも重要なのは「自分をほめる」ことです。相手は、何よりもヒトを見ています。あなた自身が「すばらしい」のだと納得したいですし、そう思えたときに、あなたから買おうと思ってくれるわけです。

だから、上手に自分をほめましょう。手順はこれまでと、同じです。

相手が店員や営業担当者でダイジと思っていることを確認する
それらの点で、自分や自分のチームがいかに優れているかを示す

いやらしくなくサラリと、でも自信をもって「差」を強調しましょう。

そしてこれらは、採用面接や(たぶん)会食の席でも使えます。相手をほめ、そして自分をほめること。相手がダイジと思っているところで、アピールです。

三谷 宏治 KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授

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みたに こうじ / Koji Mitani

東京大学理学部物理学科卒業後、BCG、アクセンチュアで経営戦略コンサルタントとして活躍。2003年から2006年までアクセンチュア戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。2006年から教育の世界に転じ、子ども・保護者・教員向けの授業・講演に注力。年間1万人以上と接している。現在、KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授のほか、早稲田大学ビジネススクール/女子栄養大学客員教授、放課後NPOアフタースクール/NPO法人3keys理事、永平寺ふるさと大使を務める。著書多数。2013年に出版された『経営戦略全史』はビジネス書アワード2冠を獲得した。親向けの著作として『お手伝い至上主義! 』『親と子の「伝える技術」』などもある。3人娘の父で、小学校PTA会長も務めた。

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