甲子園出た起業家「主将は中間管理職」と語る訳 アメリカに憧れ、上原浩治氏のマネジメントも

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「キャプテンはいわば中間管理職でした。監督がいて選手がいてという中で、基本的に監督の意見で動くと思いますが、選手にも意見があります。その中で、選手が監督の言っていることが理解できて、監督が選手のことも理解できて、お互いが納得してプレーするほうが絶対いいじゃないですか。

その意見を言える役職がキャプテンだと思っていたので。監督とメンバー両方の意図を理解して、声を通す役割という意味では、会社での仕事も同じですよね」

「スポーツマネジメント」で大切なこと

そもそも近年よく聞く「スポーツマネジメント」とはどのような仕事なのだろうか?

「実はスポーツマネジメントってすごく領域が広いんです。私のメイン事業はアスリートやスポーツに関わる方のマネジメントです。

契約などの交渉が仕事となるエージェントともまた違って、その人のブランディングも含めて、その人の価値を踏まえてさまざまな仕事をしていくことです。

ほかには例えば、チームの経営や運営もスポーツマネジメントですし、マネジメントという言葉にはいろんな意味があります」

(写真:松平伊織)
スポーツバックス社内の様子。上原浩治さんら所属アスリートの記念品がたくさん(写真:松平伊織)

ブランディングのため「取ってくる、整えること」が中心と語る澤井さん。

さらに、もしメジャーリーグに挑戦したい選手がいるようなときには「現地のエージェントと組んで、仕事をすることもあります」という。

仕事をこなすうえでは、スポーツの分野に限らず、さまざまな知識や興味関心が必要になってくる。

「まずたくさんの媒体や本を読むということ。また、いろんなアスリートがいるおかげでありがたいことに多くの企業の方とのつながりもありますから、その中で話を聞かせてもらうこともあります。

さらに、同世代で頑張っているヤツも多いです。弁護士、エンタメ系のマネジメント事務所、広告代理店などで働く価値観の合うメンバーでよく話をしています。普段は和気あいあいとばか話をしていますが、悩み事があってパッと相談したときに、スポーツじゃない視点の話をしてくれるんです」

大学時代から「野球部以外の友達も多かったんですよ。みんないろんなところに就職するなと思っていたのと、そういう友達がいたら面白いなと」と意識して交友関係を広げていたそうだ。

もっとも大切な企業理念として「スポーツをデザインする」と掲げている澤井さんは、「スポーツマネジメントにはやっぱりクリエーティブさがないといけない、クリエーティブなことをやりたいと思っている」という。

そんな澤井さんが海外での仕事で学んだことや、アスリートとの信頼関係のため気をつけていること、クリエーティブな仕事をするために気をつけていることなどを、後編でうかがう。

澤井芳信(株式会社スポーツバックス 代表取締役)
京都市出身。京都成章高では「1番・遊撃」の主将として1998年に春夏連続で甲子園に出場。夏は松坂大輔擁する横浜高と決勝で対戦し、ノーヒットノーランで敗れ準優勝。その後同志社大に進学。卒業後は社会人野球「かずさマジック」(元新日鉄君津)に入り、4年間の現役生活を経て引退。その後、スポーツマネジメントの会社で経験を積み、2013年に株式会社スポーツバックスを設立。2014年に早稲田大大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。
スポーツバックス オフィシャルサイト

取材・文/市來孝人

「OCEANS」編集部

メンズファッション&ライフスタイルの情報誌『OCEANS』は、 “37.5歳”をキーワードにした独自の切り口が支持を集め、2006年の創刊以来、多くの読者にご愛読いただいています。2017年1月にはデジタルメディアを大幅リニューアル。ファッションはもちろん、毎日の“オッサンライフ”をもっと楽しくするハウツー情報の配信だけでなく、「対話するWEBマガジン」をテーマに、スナップ、動画、イベントなども展開していきます。

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