専門家も心配「ハリス副大統領」背負った超難題 コロナでも中米からの移民が減らないワケ

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例えば、シンクタンク「インターアメリカン・ダイアログ」のマイケル・シフター会長は、「(このミッションは)ハリス副大統領にとって何か危険性のあるものだ。もし状況が悪化し続け改善が何も見られない場合は、それは彼女にとって障害となる」と述べ、「これは彼女が外交での器用さを示す試しとなる」と指摘したことが、アルゼンチン電子紙「ラ・ポイティカ・オンライン」(4月14日付)で報じられた。

それでもシフター会長は、「彼女は国務省の高官と競争することなくその能力と才能を発揮することができるであろう」とし、「国務省と連携し、また北部三角地帯(中米3カ国)を担当している国務省の特使リカルド・スーニェガや、チームのほかのスタッフともうまく進めていくと私は思う」と語っている。

テキサス州にあるライス大学のジェイムズ・ベイカー公共政策研究所のトニー・パヤン所長は、「ハリス副大統領の選択はトランプ前大統領の混乱化した政権とは対照的だ。(前政権は)すべてがトランプ前大統領を満足させるための方向に向かっていた」と語り、双方のこの問題に取り組む違いを明確にした。

始動した途端に「トラブル」発生

ところが、ハリス副大統領がこの問題を担当し始めた途端、問題が1つ発生した。問題はすぐに解決を見たが、これはバイデン大統領も予期していなかったことだ。

問題というのは、ハリス副大統領に移民問題を担当させる前まで、北部三角地帯と国務省との連携にバイデン大統領はメキシコ、並びに中米についてエキスパートである高官、ロベルタ・ヤコブソン氏を任命していた。その任務を約3カ月担当したのち、バイデン大統領はヤコブソン氏をメキシコ大使に復帰させる予定だった(同氏はトランプ前大統領時、メキシコに関する政策に同調できないとして辞任していた)。

ところが、ヤコブソン氏はかつて大使だった頃、メキシコの企業家、政治家そして知識人らと親交を結ぶようになっており、これをメキシコで80年ぶりに左派系政治家として大統領に就任したアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール氏がヤコブソン氏は「権力マフィアと交友関係がある」と、問題視して、同氏のメキシコ大使復帰に反対。ハリス大統領はやむなくヤコブソン氏を解任したのだ。

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