「違うこと」を急に始める人に見られる共通点

「自分探しをする」と言う子にすべきアドバイス

息子から「大学を1年休学して、自分のやりたいこと、向いていることを探したい」と言われたら、親はどうすべきでしょうか(写真:tommaso79/iStock)

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

この4月に大学3年になった息子が大学を1年休学したいと言い出しました。理由は、将来の仕事としてやりたいことが見つからないから1年休んで自分のやりたいこと、向いていることを探したい、と。
「学校行きながらでもできるでしょ」と言うと、学校の単位を取ることにいっぱいいっぱいで、やりたいことに時間を割けない。興味のない、単位を取ることだけが目的になりつつある授業から1年離れて、自分探し(これは私が抱いた感覚ですが)をしたい、とのこと。
言い出すのも突然ですし、大義は掲げていますが、ではこの先1年の具体的スケジュールは立ててあるのか問いただすと、未定とのこと。それじゃ納得できない、考え方が甘すぎる、そもそも単位取得に四苦八苦しているようでは大した勝負はできないと却下していますが、筋道立てて考えるからもう1度話を聞いてほしいと言われています。
実際この2年間も積極的に行動の幅を広げていたように私の目には映らなかったので、休学などせず可能性を探すべきだ、と却下するつもりです。大体考え方が甘く、親として甚だ不安な幼稚な話にしか聞こえてきません。安井さんでしたらどうお考えになられますでしょうか。
会社員 萩原

「自分探し」は単なる現実逃避

自分探しと称して旅に出たり、今やっていることを放り投げて違うことを始める人は今まで数多く見てきましたが、その中で本当に自分を探せた人は見たことがありません。

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いわゆる自分探しの結果として態度や発言は大きくなったものの、器は小さいまま、というのが私の感想です。

多くの場合、自分探しというのは単なる現実逃避なのです。

理想の自分は探せば見つかるものではありませんし、誰かが与えてくれるものでもありません。現状の自分をキチンと理解したうえでの行動や工夫、努力なしに見つかるものではありません。

そもそも論として、「自分探し」という思考の前提として「今の自分は本当の自分ではない」という考え、つまり現状に対する漠然とした不満があり、そのうえで「もっと輝いているであろう本当の自分とその居場所」を探す、ということになろうかと思われます。

今現在の自分は本当の自分ではないという考えは言い換えると、思考や行動のスタート地点を現状ではなく、どこかほかの地点、しかもそれは見知らぬ想像の地点に求めてしまっているのです。

つまり現状逃避であり、どこかもっと高い場所にいる自分、デキる自分がスタート地点であるはずだ、という文字どおり現実離れした考え方ですね。

そう考えると、この前提や考え方自体が非常に甘いということがわかるはずですし、自分を探せた人がいないことにも納得がいくと思います。

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