資本主義の語を使わなかった「資本主義の父」 100年前からSDGsとCSVを説き続けた渋沢栄一
「資本主義」ではなく「合本主義」
渋沢栄一は、「近代日本資本主義の父」とよくいわれますが、10年ほど前に、私はふとしたことから渋沢は、自身の思想や行動について語るときに、資本主義という言葉を使っていないことに気がつきました。
まれに使うときには、「アメリカの資本主義はあまりにも私益を求めすぎる」のような批判的な言い方で用いていたようです。
それでは、渋沢はどのような言葉を使っていたのでしょうか。合本(がっぽん)です。渋沢は、「公益を追求するという使命や目的を達成するのに最も適した人材と資本を集め、事業を推進させるという考え方」のことをそう呼んでいました。
そして渋沢は、合本主義に基づいて設立、経営、支援した組織を(協力)合本法、合本組織、合本会社と呼んでいました。これらは今日の株式会社に似ています。株式会社は、広辞苑によると、「資本金が株式という均等な形式に分割され、出資者すなわち株主が組織する有限会社」です。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら