武雄市長は、ビル・ゲイツに似ている!? 例の「武雄市図書館」に行ってみた

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成毛 キッズライブラリーの次のプランは。

樋渡 ボロ庁舎を建替えたいです。あれ、耐震構造になっていないんですよ。

成毛 武雄市庁舎ですか。

樋渡 あれを、『テルマエ・ロマエ』みたいにしたいなと思って。

成毛 風呂ですか。確かに、武雄は温泉もあるけど。

樋渡 風呂はちょっと無理なので、アマンリゾートみたいな、すごくかっこいい足湯を作りたいんです。コミュニケーションを取る場として、温泉にかなうところはないんですよ。だったら、庁舎でそれをやろうと。ものすごくいいタオルを特注して。僕はタオルフェチなんですよ(笑)。

成毛 そうなんですか。

樋渡帝国ホテルのタオルは最高ですよね。どうも、それほど高いものじゃなくて、洗濯がうまいみたいなんですけど。タオルを作れば、それは雇用を生むかもしれないじゃないですか。それから、お湯をはった下のところ、底のところは、武雄焼のかっこいいのにしたいんですよね。陶器に足を置くと、すごく気持ちいいんですよ。

成毛 『沸騰!図書館』を読んだときにも思いましたが、なんの話をしても、めちゃくちゃディテールまで語られますよね。自分でそう思われないですか。

樋渡 僕はおおざっぱな人間ですよ。

成毛 おおざっぱ? でもビジュアルを非常に細かく話す。

樋渡 それは、僕、映画が好きだから。

成毛 なるほど、絵コンテを描いているイメージか。

樋渡 そうです。僕、総務省時代に大阪の高槻市役所に出向してたんですが、京都ばっかり行ってたんです。寺に、庭を観に。庭フェチでもあるんです。

成毛 なるほど、なるほど。

樋渡 だから、借景……図書館は人が借景になってるんですよ。テルマエ・ロマエの庁舎でも、人を借景にしたい。

武雄市に泊まる人にしか会いません

成毛 面白い。ジャージ姿だと借景にならない。しかし、庁舎に足湯を作ったら、ますます全国から視察が増えるんじゃないですか。

樋渡 今も年間に万を超えてますからすごいですよ。僕、武雄に泊まらない人とは会わないという、北朝鮮みたいなことやってますから。

成毛 今度は北朝鮮か(笑)。でも、それは面白い。要するにここにお金を落としていってほしいということですよね。その庁舎の次のこと、何か考えてますか?

樋渡 ないです。

成毛 ない。

樋渡 ないです。政治家の仕事って、お医者さんと同じで、目の前の人たちの痛み、苦しみ、悲しみを取り除くことなんです。だからそこにビジョンなんてない。図書館がよくなければ図書館を直すだけで、その場しのぎです。

成毛 でも、その場しのぎは必ず成功させないといけない。成功の要因はなんですか。

樋渡 うーん、なんですかね。図書館は僕の中では終わったことなんですよね。で、過去は見ないです。分析もしない。それよりも、まだ見たことのない光景を、みんなと一緒に見たい。

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