「車を最安値で買う人」がやっている緻密な交渉

価格交渉が「上手い人」「下手な人」の決定的な差

客観的な根拠を交渉材料として用いる(写真:FreedomZ/PIXTA)
ここ数年、世界市場での日本企業の衰退など、悲観的なニュースを目にするようになってきました。これらについては多くの専門家がさまざまな観点から分析をしていますが、アメリカで日系企業を主なクライアントとして20年間活躍してきた、ニューヨーク州弁護士の大橋弘昌氏は、日本企業、日本人が交渉をしないことが大きな原因となっていると言います。
いったいどうすべきなのか。大橋氏が現場で培ってきた交渉術の極意をぎっしり盛り込んだ著書『どんなときも優位な状況をつくれる 負けない交渉術』から一部を抜粋・再構成して紹介します。

不利な状況を作らない

交渉における「自分に有利な状況」とは、どういうものでしょう?

あなたの会社がオフィスの内装工事をX社に発注したとします。工事代金は1000万円。前金500万円、工事完了時に500万円を支払う約束です。契約書を取り交わし、X社は工事を開始しました。

数カ月経って、工事が完了したというので仕上がりを確認してみると、フローリングは剝がれているし、いくつかのドアがしっかりと閉まらない……と欠陥だらけです。

当然、工事のやり直しをさせなくてはいけません。一方、工事業者のX社は、「まずは工事完了時の500万円を支払ってほしい」と要求してきます。あなたが、「工事をやり直さないと残りの500万円は支払いません」と言うと、「もし〇年〇月〇日までに残額の500万円を支払わなければ、裁判所に訴えます」といった内容の支払い督促状を送ってきました。

このようなとき、どうすればよいでしょうか。

ついつい浮き足立って、「まずは500万円支払おう。そのうえで、もし工事をやり直さなかったら、支払ったお金を返してもらおう」と考えたり、あるいは希望的観測に基づいて、「こちらから誠意を見せて500万円支払えば、相手も誠意を示してやり直しに応じてくれるかもしれない」と考えたりして、支払ってしまうかもしれません。

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