ピクミン3DX「良作なのに物足りなく」感じる訳 内容がとてもいいだけに「惜しい」ゲームだ

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さて、プレイしてみた感想だが、正直僕にはあまり合うゲームではなかった。理由としては、僕自身が期待したような内容ではなかったからだ。

というのも、ちょっとディストピアっぽい感がある惑星が舞台ということで、なんとなく一昨年にSwitch版で復活した『moon』や、ゲームキューブで言えば『ギフトピア』的な、わかる人に向けて言えば「ラブデリック系」、わからない人に向けて言うなら、ファンタジックでちょっぴりディストピアな、雰囲気のあるゲームを想像してしまっていた。要するに惑星に「かつては人の営みがあった惑星。しかし今は原生生物がうろつく失われた土地」的なモノを期待してしまっていたのである。

実際のピクミン3は、もっときっかりとした「ゲーム」であった。

惑星には人間はいないが、携帯電話や紙袋、ボウリングの球など、明らかに人工的なモノが落ちている。しかしそれは人間の痕跡ではなく、あくまでもゲーム上のギミックでしかない。惑星は、その雰囲気やそこで何があったのかなどの裏側を想像して楽しむ場所ではなく、あくまでも「ゲームのために用意されたフィールド」にすぎない。

フィールド上で、限られた時間と行動手段を駆使して、3人の隊員を駆使して段取りよくミッションを達成するというのがピクミン3のゲーム性。だから、ストーリーや世界観を楽しむアドベンチャー的なゲームと言うよりは、ストーリー要素のあるパズルゲームに近いのだろう。

あまりにもサクサク進みすぎる

『ピクミン3デラックス』では、ピクミン3と比べ、ピクミンを投げる対象をロックオンできるようになったり、次に行く場所を示すヒント機能などが追加され、遊びやすくなっている。

しかしそれは一方でゲームの難易度が下がることにも繋がっている。本来は時間制限と食料の枯渇を心配しながらプレイするゲームなのだろうが、サクサクプレイできるのでどんどん果物が集まり、食料の心配はすぐに消えてしまった。

ピクミンシリーズは初プレイでも、ゲームになれている人であれば最初から難易度「むずかしい」でプレイして、操作にまごつくくらいがちょうどいいだろう。

また、3人の隊員を効率よく動かす必要があると思っていたが、難易度「ふつう」であれば、川を越えるなどの理由でどうしても3人をバラバラにしなければならない場所でもない限り、3人一緒に行動していて何の問題もなかった。

ストーリーの関係上「3人の隊員」は常に意識させられる一方で、ゲーム上の特技などの個体差があるわけでもないし、食料の消費量が増えるわけでもない。3人集まったところでやることは1人のときとほとんど変わらない部分は、なにか工夫のしようもあったのではないか。

次ページ決して「退屈なゲーム」というわけでもない
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