家庭の鶏肉「ジューシーに焼き上げる」簡単ワザ 「強火」と「弱火」で仕上がりを比較してみた
だからこそ、すぐに火傷するほど熱くなるフライパンを使い肉や野菜を焼く場合には、できる限り温度が急激に上がらないようにする必要があり、そのもっとも簡単な方法が「最初から弱火で加熱する」ということなのです。
これが、僕がいつも「弱火」をおすすめする理由です。一般的な家庭のコンロというのは、プロ用よりも火力が弱いと思われがちですが、家庭のフライパンは通常プロ用よりも底が薄く、また炎とフライパンの底の距離が近いのです。
フライパンや鍋をのせる「五徳」という台が低い。火力が中華料理店の厨房より弱くても、フライパンにペタリと肉や野菜を置いて強火で加熱すれば、あっという間に焦げてしまいます。焦げないまでも、食材の内部への火の入り方は非常に早くなります。
これがもっとも多い「家庭で肉を焼くとジューシーに仕上がらない」理由です。冷たいフライパンにいきなり肉をのせるという方法を僕が紹介したら、最初はビックリされたものです。
「え、強火で焼いて肉汁を閉じ込めるんじゃないの?」「そんなことをしたら、なんだかベタベタになりそう」「逆に固くなりそう」「旨味が逃げるんじゃないの」という声があいついだものですが、実際にやってみていただければ、そんなことはまったくありません。
強火ソテーと弱火ソテー、同じチキンで比べてみよう
実際に、強火と弱火、両方のやり方でチキンソテーを焼いてみました。
- A:強火で加熱したフライパンに肉をのせてしっかり焼き目をつけ、そのあと弱火にしてフタをして火を通した場合
- B:冷たいフライパンに肉をのせて、弱めの中火~弱火で加熱した場合
Aの方法だと焦げ目はつくものの、皮がぐんにゃりとして、香ばしさというよりは、焦げた部分の苦さが残ります。火は中までしっかり通っていますが、「ちょっと煮すぎた煮物に入っている鶏肉」、という食感です。
おろしポン酢などをかけて食べれば、別に問題はないとも言えますが、「チキンソテー」として、そのまま出すにはいかがなものか、という風情のものができあがりました。
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