三菱UFJ、「半沢頭取」が逆風下で挑む抜本改革 「13人抜き」エースが描く銀行の生存戦略とは?

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それがコロナ禍で在宅勤務の比率が上がり、実現可能になった。現在、銀行の本部は50~60%の社員が在宅勤務だ。

新しい働き方にも適したビルのあり方を考えながら、2022年度中には詳細を固めて取り壊し、着工したいと考えている。

――足元では新型コロナの影響により、多くの企業が資金難に陥っています。

資金需要は2020年の4~5月をピークに落ち着いていたが、2021年3月ごろからまた少しずつ増えてきた。特にホテル、小売り、旅行、サービスなど個人消費関連の企業は厳しく、資金ニーズが増えている。

緊急事態宣言は解除されたものの、(感染再拡大への)懸念を持ちながら経済活動をしている。おそらく2021年度もコロナ禍以前の状態に戻ることは難しい。

事業再生ノウハウを持った人員で対応

回復の遅い会社は注視が必要だ。コロナで産業構造が変わり、元の状態に戻れない企業には、ビジネスを変えるための新しい業務内容を提案しなければいけない。

半沢淳一(はんざわ・じゅんいち)/1965年生まれ。1988年東京大学経済学部卒業、三菱銀行入行。経営企画部長、名古屋営業本部長などを経て、2019年に取締役常務執行役員。2021年4月1日より頭取就任(撮影:今井康一)

その意味で、2021年度は重要な1年になる。2020年度も大変だった年であることは間違いないが、まずは「(資金で)つなぐ」1年だった。

しかし足元では「この企業はコロナ前(の経営状態)に戻る」「この企業は戻らない」という違いが明確に見えてきている。2021年度は将来を展望し、その企業をどうするかという(提案型の)支援の比重が高まる。

――経営が厳しい企業の支援に対応する社内体制は十分ですか。

事業再生の経験をしている人がどの程度残っているかという問題はある。ただ、融資担当の部署には2000年頃からずっと融資を担当し、ノウハウを持っている人材がいる。注視しなければいけない数百社については、本部の融資部で個別に対応していく。

藤原 宏成 東洋経済 記者

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ふじわら ひろなる / Hironaru Fujiwara

1994年生まれ、静岡県浜松市出身。2017年、早稲田大学商学部卒、東洋経済新報社入社。学生時代は、ゼミで金融、サークルで広告を研究。銀行など金融業界を担当。

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