みずほ「大規模ATM障害」に残された2つの疑問

再発防止策の策定時に改めて説明が求められる

大規模なATM障害をなぜ食い止められなかったのか。疑問は残ったままだ(編集部撮影)

2月28日に起きたみずほ銀行の大規模なATM障害。通帳やキャッシュカードが取り込まれたまま返却されないという事態が相次いだ。停止したATMは4318台と、みずほが保有する5891台のうち7割超に及んだ。

さらに問題なのは、大規模障害が収束して以降、小さな障害が続いていることだ。3月3日に一部のATMが停止、3月7日にはATMやネットバンキングで定期預金の預け入れができなくなる障害が発生した。

これらの原因は大規模障害とは異なるとされているものの、わずか1週間強のうちに繰り返される障害に、顧客の不安は募っている。「今後も障害が発生するのではないかと考え、メインの口座を別の銀行に移すことにした」(20代男性)という声も聞こえてくる。

みずほは2019年に勘定系システムを刷新したばかり。週末にATMを止めて、新システムへの移行作業を行っていたことは記憶に新しいだろう。

想定されるデータの処理量を読み違えた

今回の大規模障害の発端はATMではなく、定期預金のデータ移行作業にあった。みずほは紙の通帳を使う口座から通帳レス口座への切り替えを進めている。中でも、1年間記帳のない口座は通帳レス口座へ自動的に移行される予定だった。

この移行に伴い、平時には発生しない45万件の処理が必要だった。そこに、月末の定期預金の更新処理が25万件発生。メモリー容量不足で処理ができなかった(図表の①)。その結果、ATMやネットバンキングで定期預金の取引にエラーが発生(②)。取引全体を取り仕切る勘定系システムの中でATMを管理する3つの区画のうち2つがダウンし(③)、その結果、大規模なATM障害が発生した(④)

みずほは45万件の処理が問題なく行えることを事前のテストで確認済みだった。にもかかわらず容量不足が起きたのは、25万件という月末の処理量を読み違えたからだ。

だが、他の銀行やシステム関係者からは「なぜ取引が集中する月末にシステムに負荷のかかるデータ移行作業を行ったのか」と、より根本的な問題を指摘する声が多い。予測の精度だけでなく、実施時期についても疑問視されている。

みずほにとってシステム障害は鬼門だ。2002年と2011年にも大規模な障害を経験している。みずほグループは、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が合併して誕生したが、各行の方針の違いからシステム統合は難航し、大規模な障害が相次いでいた。

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