ついに国内で製造「培養フォアグラ」味と中身 日本発の代替肉メーカーが仕掛ける生産革命

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1月にはニューヨーク証券取引所やナスダックへの上場準備市場としての性格があるOTCBBに、SPAC(特別買収目的会社)の仕組みを使いグループ会社の株式公開もした。

2020年に植物肉専業メーカーを起業した佐々木英之代表(写真:ネクストミーツ)

「日本で上場して資金調達しようとすると、準備に何年もかかる。アメリカでは創業から1年経っていないような会社でも評価してもらえる。僕らはスピードを重視しているので、これからも資金調達しながら生産体制を整備してブランディングも進めていく。各国で販売できる体制を作りたい」(佐々木代表)

ネクストミーツの課題も生産コストだ。同社が販売する「NEXT牛丼1.2」は1つ120グラムで450円。「食肉と同価格にできれば、大きなパラダイムシフトが起きると思う」(佐々木代表)。自社生産に切り替えて量産化を進めるなど、コスト削減に向けて試行錯誤を続ける。

神戸牛風のサシは3Dプリンタで作る

実験段階だが3Dプリンターでの代替肉作りにも乗り出した。「精肉店に3Dプリンターが置いてあって”神戸牛風でサシ少なめで”なんて注文できたらおもしろいなと。夢みたいな話だけれど、一つの選択肢として研究をしている」(佐々木代表)

人口増加や経済成長に伴い、食肉需要は世界的に増えている。ただ家畜の飼育には土地や水、飼料が大量に必要で、環境への負荷が大きい。こうした問題意識や健康志向の高まりを背景に、代替肉市場は拡大している。矢野経済研究所によると、メーカーの出荷金額ベースで2020年の世界市場規模が2572億円、2030年には1兆8723億円に成長すると試算されている。

スーパーに加えて、モスバーガーなどのファストフード、カフェチェーン・ドトールの大豆肉ハンバーガーなど、代替肉を導入する企業や店舗は増えている。日常的に食べられる日は近いかもしれない。

田野 真由佳 東洋経済 記者

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たの まゆか / Mayuka Tano

2009年に大学を卒業後、時事通信社を経て東洋経済新報社に入社。小売りや食品業界を担当し、現在は会社四季報編集部に所属。幼児を育てながら時短勤務中。

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