「社長室」で時間を持て余す人の大きな勘違い 「社内の雑務」やルーチン業務が仕事ではない

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社長室というと通常は社内の各部署横断の仕事(いわゆる横ぐし系の仕事ですね)であったり、部署間の利害の調整や社内における優先順位の策定など、社長直下の部署として、特定部署にかかわらず社内全体を見渡し、部署横断で仕事をすることが求められます。

そしてその前提としては上司たる社長の考えやビジョン、社内における課題などをキチンと理解し、そのうえで今何をするべきかを考え実行する、という気概が求められます。すなわち必要な能力としては、いわゆるハードスキル以外にもコミュニケーション能力や調整力を通じて人を動かす力であったり、企画力や構想力といった全体をまとめ上げる力が必要なのです。

そのように考えますと、当然のことながらYさんのポジションとはルーチン業務をやることや、社内の雑務ではないはずです。もっと上の段階の仕事を考え、実行に移す必要があります。

自身の視座を上げ、研鑽に努める

社長室ですから、社内の社員では一番社長に近い立場なわけですよね? であれば、ルーチンや雑務ではなく、社長の考えなどを具体的なプロジェクトに落とし込み、部署横断で実行する旗振り役としての仕事をこなすべきです。

会社の今後のビジョン、そこから派生する経営戦略や方向性、目下の課題。そういったことをキチンと理解することなしに務まる仕事ではありませんし、ポジションではないはずです。

時間が余ってしまうと悠長なことを言っている場合ではありません。ご自身の視座を上げて、会社の成長エンジンの中心に自分はいるのだという気概を持ち仕事をしてみてください。

繰り返しですが、その際にはルーチン業務や誰かのアシスタント的な仕事をその場しのぎでやるような低い目線ではいけません。自分は社長直下のポジションであり、社長の手足として全社的な課題の整理や打つべき戦略の立案し、実行するべき立場であるとまずは強烈に認識しましょう。

そのうえで、仕事だけではなく足りない知識の勉強などを通じて、より貢献できるように自己研鑽にも努めるべきです。

これを機にYさんが仕事をするうえでの視座を一段階上げ、より一層の活躍をされるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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