外資導入に本腰を入れる北朝鮮

国内のタンス預金も活用、必死の資金集め

この会議は、UBCの「カナダ北朝鮮知識交流協会プログラム」(KPP)と北朝鮮の朝鮮経済開発協会が主催し、米国やカナダ、中国、インド、フィリピンの経済専門家が出席している。

UBCはKPPを通じて2011年から北朝鮮の経済専門家を受け入れ、カナダでの研修を行っている。これには、実際にカナダの一般企業や金融界を回り、「トロントなどを中心に法律事務所や銀行、保険会社などを回り、それら企業をどう経営するのかといった疑問から、鉱物資源が多いカナダは鉱物資源をもとに世界へどのように投資しているのかといった具体的なことまで直接見聞きし、意見交換もしている」(イ教授)と説明する。

実際にKPPで研修を受けた北朝鮮の経済専門家は、帰国後は国際経済関連の学部や学科で指導や研究プログラムの中心的な人物として活躍しているという。金日成総合大学では最近、既存の貿易経済学科を「貿易経済学科」と「国際経済学科」に改称、規模も拡大させたが、これにもカナダで研修を受けた研究者らが中心となっているという。さらに、投資や観光に関する新学科が設立された場合、教科書をはじめ指導計画などの立案も彼らがかかわっているようだ。

「対外経済貿易省」を設立、外資誘致に本腰

政治的にも、北朝鮮は外資を受け入れる準備を行っている。6月18日には、既存の貿易省に加え、それまであった合営投資委員会、国家経済開発委員会を統合、「対外経済貿易省」の設立を発表している。対外経済に携わる省庁の乱立をやめ、業務の簡素化と効率化を図るものだ。

また、内閣副総理に相次いで経済畑の幹部らを任命していることも、金正恩政権の「経済重視」が垣間見える動きだ。北朝鮮事情に詳しい韓国・国民大学の鄭昌鉉教授は「対外経済省の新設で、北朝鮮の海外投資誘致と経済特区開発は、より積極的に推進される。貿易総額の8割近くを占める中国への依存度を下げ、経済協力の多角化に努力する一歩だ」と指摘する。

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