コロナ対策「まん防」で八方ふさがりの菅首相

感染拡大なら東京五輪・パラ開催中止の決断も

だからこそ、菅首相も「3度目の緊急事態宣言発令なら政治責任は免れない」との危機感が強いとされる。与党内にも「そうなれば菅首相の指導力や求心力は急低下し、自民党内でも菅降ろしの動きが浮上する」との声が少なくない。

菅首相にとって4月は反転攻勢のチャンスだった。相次ぐ政権不祥事で国会での与野党攻防が激化する中、巨額のコロナ対策を盛り込んだ2021年度予算は政府与党の思惑通り3月26日に成立した。菅首相が不得手とされる予算委での質疑や記者会見も当分は避けられるだけに、「首相も自信と余裕を取り戻していた」(側近)とされる。

3月に入って内閣支持率もわずかながら上昇に転じ、4月の首相訪米の成功を前提に自民党内から「連休前衆院解散・5月総選挙説」も浮上していた。しかし、今回の感染再拡大でその目論見は崩れた。頼みの内閣支持率も「これまでコロナの感染状況とリンクしてきただけに、また下落に転ずる可能性が高い」(調査専門家)とみられている。

聖火リレーに各知事から疑問の声

ちょうど1年前の4月1日には当時の安倍晋三前首相が突然、「アベノマスク配布」を表明。その直後に緊急事態宣言発令に踏み切った。経済も壊滅状態となる中、期間延長を経ての全面解除までに1カ月半以上かかった。

ただ、その後の専門家の検証で宣言発令前の3月末から4月初旬が感染のピークだったことが判明した。原因はお花見などでの人出激増とされており、今回連休に合わせて宣言を解除し感染再拡大を招けば、菅首相の判断ミスとの批判も免れない。

菅首相にとってコロナと並ぶ最重要課題は4月中にも最終決断を求められる東京五輪・パラリンピックの開催問題だ。

聖火リレーはすでにスタートしているが、「まん防」適用となった大阪府の吉村洋文知事は1日、4月中に予定されていた大阪市内の聖火リレーを「中止すべきだ」と主張。政府も受け入れる方向となった。各県知事からも「聖火リレーをそのまま実施していいのか」との疑問の声も相次いでいる。

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