コロナ対策「まん防」で八方ふさがりの菅首相

感染拡大なら東京五輪・パラ開催中止の決断も

現状では「五輪の中止や延期は政治的にありえない状況」(自民幹部)だが、主催地・東京での感染爆発が現実になれば、五輪開催の決定先送りや中止を検討せざるをえない。

1日午後の衆院本会議では、総務省違法接待問題などへの不適切な対応を理由とした野党提出の武田良太総務相の不信任決議案が与党の反対多数で否決された。巨額買収事件で公判中の元法相・河井克行被告の議員辞職も全会一致で許可された。

本来なら「これで政権不祥事も一区切り」(自民幹部)のはずだったが、厚生労働省職員による「23人深夜銀座宴会」が決着ムードをかき消し、野党側は「疑惑追及はこれから」と勢いづく。

菅首相の最重要公約だったデジタル庁創設のための関連法案も、法案要綱にミスが発覚したことから審議が遅れ、政府与党が目指す5月連休前成立にも黄信号が灯る。

訪米後解散説は立ち消えに

菅首相は8日に初訪米し、9日にバイデン大統領との日米首脳会談に臨む。同大統領にとっては対面での最初の首脳会談となる。このため、菅首相周辺は「ジョー・ヨシ関係を確認して、日米同盟関係の強化を世界にアピールする」と胸を張る。

このため、3月下旬には「訪米後解散説」まで飛び出したわけだが、「今回のまん延防止措置適用に追い込まれたことで、そんな話は消えた」(自民幹部)とされ、菅首相サイドも思惑外れに苛立ちを隠さない。

反転攻勢を狙う菅首相にとって、4月は大勝負の時期だったが、安倍前首相は4月1日のアベノマスクをきっかけに国民的批判が拡大。何とか通常国会は乗り切ったものの、そのストレスが持病を悪化させ、8月の退陣表明につながった。

菅首相の自民党総裁任期は9月末で、衆院任期満了は10月21日。すでに解散断行のチャンスは極めて限られており、コロナ感染が収束しないままの五輪開催となれば、閉幕直後に想定される総裁選も絡めての「五輪花道論」が浮上しかねない。

菅首相にとって、「国民の心が浮き立つ全国の春爛漫の季節が、退陣へのカウントダウンの始まる憂鬱な時期」(自民長老)にもなりかねない。

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