トヨタ「ランクル」次期型を大胆に予想してみた 次期モデルは電動化と走破性の両立が鍵を握る

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初代モデル。1951年にトヨタジープBJ型として誕生し、1955年にランドクルーザーという車名が与えられた(写真:トヨタ)

これまでの文脈からすれば、都市での利用を考慮して電動化は避けられないだろう。そのうえで、未舗装の荒野でも従来どおり安心と信頼を保つ、命を守る移動手段としての役目を担うなら、モーター駆動とレンジエクステンダーの組み合わせ、または少なくともRAV4程度の一充電走行性能(95km)を備えたプラグインハイブリッド車が現実的ではないだろうか。

こうすることで、日常的には排出ガスゼロでの利用が可能となり、都市での暮らしにも胸を張って利用できる。そして未舗装路で出たら、エンジンでの充電機能を活かしながらより長距離を走り続けることができるようにする。途中で充電設備がなくとも、ガソリンを補充することによってエンジンで発電し、モーター走行を続けられる。

保守管理については、モーターの耐久性はすでに述べたとおりの長所があり、発電用エンジンについては従来どおり整備の知見があればできるだろう。また、そのエンジンは、発電主体の性能であれば、さまざまな燃料の水準にも対処できるはずだ。走行の動力としてもエンジンを使おうとすれば、より高性能である必要がある。だが、比較的一定回転で発電に使う発想であれば、それほど高性能を狙う必要もない。そのぶん、エンジンの保守管理も容易になるだろう。

ランドクルーザーの電動化では発想の転換が求められる

トヨタは、ガソリンエンジン車の燃費を2倍に高めることを狙いに独自のハイブリッドシステムを開発し、1997年にプリウスで世に出した。それから25年近くとなる今日では、エンジンのいっそうの効率を求めており、それには発電用と割り切るのがよい。日産は、発電用と割り切ることでガソリンエンジンの熱効率を50%にまで高める技術を構築できたと発表している。

トヨタのシリーズ・パラレル方式ハイブリッドは、20年以上にわたり社会や環境に貢献してきた。しかし、ハイブリッド技術の貢献は、モーター駆動を主体としたシリーズ式に発想を変えることで、さらに広がりをもつことができるようになった。その延長が、EVのレンジエクステンダーだ。

ランドクルーザーの電動化も、そうした発想の転換ができれば、世界を牽引し、未来を拓く本格的4輪駆動車の理想像を描いてゆけるのではないかと思う。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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