トヨタ「ランクル」次期型を大胆に予想してみた 次期モデルは電動化と走破性の両立が鍵を握る

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ランドクルーザーに比べ、やや小型で扱いやすいランドクルーザープラド(写真:トヨタ)

具体的な仕向け地として、販売台数がもっとも多いのは中東地域だ。2020年の実績で10万2000台以上が販売されている。次いでオセアニアの4万7700台、北米の3万7800台、欧州とアフリカが3万台以上、そして国内と中国が2万台強の水準だ。ほかに中南米やアジアへも販売されている。ランドクルーザーの販売で圧倒的に多いのは、やや小型となるプラドのほうだが、それは取り回しのよさが好まれているのだろう。いずれにしても走行性能や信頼・耐久性がしっかりランドクルーザーで作り込まれているからこその実績であるはずだ。

ランドクルーザーの競合と考えられるのは、アメリカのジープ「ラングラー」、英国のランドローバー「ディフェンダー」、そしてドイツのメルセデス・ベンツ「Gクラス」であろうか。いずれも、未舗装路を苦にせず走り通す猛者ばかりである。こうした本格的4輪駆動車の動力は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが主体であった。それは、燃料の品質が必ずしもよくない地域においても、無事に走り切ることが何よりの条件となるからだ。実際、ランドクルーザーの開発においても、各地域で販売される燃料を使って耐久・信頼性の確認をしてきたといわれる。

都市部での需要増を考えれば電動化が必然

一方で国内外を含め、いずれの4輪駆動車も、このところ都市部で利用される機会が増えている。未舗装路を走ったことのない本格的4輪駆動車もかなりあるはずだ。そうなると、ほかの乗用車が電動化への移行を進めるなかで、ランドクルーザーも環境規制への対応も考慮しなければならない時代へ足を踏み込むことになっていくだろう。電動化と本格的4輪駆動車の相性はどうなのだろうか。

技術面では、モーターはエンジンに比べ、約100倍速い応答が可能なので、ことに未舗装路で確かな接地性や駆動力を発揮させるには、モーターのほうがうってつけだ。より緻密な駆動力制御を行えるので、タイヤが滑りやすい路面状況であっても、姿勢を崩さず走破する能力をいっそう高められるはずだ。

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