“床拭きルンバ"は再び掃除を変えるか あのアイロボット社が「ブラーバ」で新たな境地開拓

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「水拭きの効果は満足度が高い」(セールス・オンデマンドの室町社長)

さらに、ルンバは人工知能を搭載することで「部屋の状況を把握して効率よく部屋を掃除する能力」に特徴があるが、ブラーバは“司令塔”に従って動く。「ノーススターキューブ」と言われる小さな箱が付属していて、ノーススターから天井に赤外線を照射し、それをブラーバ本体上部のセンサーが認識する。その情報と本体前部のセンサーから入る情報を組み合わせ、部屋の構造をマッピング(地図化)することによって、効率的な動きを実現している。

目標販売台数は非公表だが、室崎社長は「日本でも新築住宅・マンションの7割がフローリング。水拭きは面倒だけれどもやった後の効果は非常に満足度が高い。つまり、面倒な床拭き、水拭きを自動化できれば、新しい価値を提供でき、心豊かな暮らし作りに貢献できるのではないかと思っている」と、自信をのぞかせる。

販路は自社の通販サイトであるアイロボットストアに限られる。直販によって消費者のニーズを直接吸い上げ、今後の改良に生かしていくのが狙いだ。

日本市場はきわめて重要視

実のところアイロボット社は、日本市場を非常に重要視している。ルンバの改良にあたっても、日本の顧客ニーズを積極的に取り入れた。例えば、ハウスダストや髪の毛などの軽いゴミを検知できるように、高感度のセンサーに変更した。また排気に敏感な日本人に合わせ、排気フィルターに空気清浄機でも使用される「HEPAフィルター」を採用するなどしている。

ブラーバは欧米ではブラックモデルで展開されているが、日本ではホワイトモデルのみが発売されることになっている。大ブレイクしたルンバに続き、日本の家庭に「拭きロボット」も浸透するのか。間もなく日本の消費者が審判を下す。

(撮影:尾形文繁)

渡辺 拓未 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事