「福岡5歳餓死事件」に見るカルト的手口の異様 オウム真理教の内側と重なって見える
赤堀被告は、自分の背後に暴力団とつながりのある“ボス”の存在があると言った。ボスの怒りをかう恐ろしさを示唆している。
オウム真理教では、あがめ立てる神仏が教祖についていた。というよりも、神仏のお告げを受けられるのは自分だけだと言った。時には、そのお告げを利用して信者を煽動した。
碇被告は生活が12台のカメラで監視されていると信じた。赤堀被告がそういうからだ。実際には赤堀被告に監視、隔離されている。
教祖に超能力があるとされたオウム真理教では、教祖が信者の心の中までを見透かしていると信じた。実際には、教団施設に監視カメラが置かれ、信者が互いを監視して告げ口していた。
経済的に孤立させ、苦しい状況に追い込む
赤堀被告は、母親から通帳を取り上げ、保護費も提供させて、経済的にも孤立させている。そうして私腹も肥やす。
オウム真理教では、出家にあたって全財産のお布施を強要した。教団から逃げられないようにする目的だったが、結果的に教団の資産が増えることになり、それがテロ事件の下支えともなった。
まるで極限修行のような食事制限、貧困生活は心から正常な判断を奪う。それでも、我慢して従ったのは、それで離婚問題もすべて解決すると信じたからだ。
オウム信者の修行の先にも「解脱」という到達点あり、それによって乱れた今生の「救済」という大義があった。だが、睡眠不足と疲労を招くばかりの出家生活は、やはり正常な判断を奪う。気がつけば指示に従って動くテロ組織の一員になっていた。教祖の指示とは言え、実行したのは信者たちだ。
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