人手不足の「介護業界」外国人材は定着するのか 文化や習慣などを理解し教育することが大切だ

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その結果、2013年に同法人として初めて介護福祉士試験を受験した7人のうち5人が合格した。その後は、専門学校の授業数などが増えたため、法人としては、補習希望者に対し、試験前に補習を2回行う程度にとどめている。一方で、合格して同法人に勤務している先輩にも協力してもらい、来日した介護福祉士候補者にいろいろ教えてもらっているという。

こうしたことにより、毎年、受け入れている4人の候補者は、「ほぼ全員が試験に合格しており、不合格で帰国する人はあまりいない」(牧野理事)。

合格して同法人に勤務する人が増えてきてからは、「妹や従姉妹をこちらで受け入れてくれませんかといった紹介が多くなり、現在受け入れているのはそういう紹介ばかりだ」と牧野理事は明かす。

仕事と私生活はわける

では、千里会が介護福祉士候補者として受け入れて合格した外国人の、同法人での定着状況はどうだろうか。

同法人が受け入れて合格した外国人は、これまで32人で、そのうち現在も同法人に勤務しているのは19人(冒頭で書いた23人の合格者の中には、合格して転職してきた人が4人いる)。つまり、定着率は約60%ということになる。

この率について牧野理事は「人が働きに来ているという事を考えれば、外国人に100%の定着を求めてはいけない。約60%はまずまずの定着率と考えている」と話す。

同法人が、合格勤務者の定着を図るために、最も重視していることは、「仕事上も私生活上も、日本人と同じように公平・公正に扱うこと」だという。

仕事面では、給料は日本人と同一にしていることはもちろん、仕事上のポジションも能力に応じて与えており、特養の現場でリーダーとして活躍している外国人は6人に上る。

私生活上も公平・公正に扱うというのは、「外国人だから面倒みてあげるという事業者は多いと思う。しかし、例えば、月1回、(職場のみんなで)食事をするというようなことを行っても、自分が休みの日に、気を遣わなければならない人と食事をするというのは嫌だと思う人が多いのは、日本人も外国人も同じだ」(牧野理事)。

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