日本人の知らない経済政策「PGSを増やせ!」 衝撃の事実!途上国の半分しかない日本のPGS

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そのため、完全雇用が達成されるまでは、労働生産性が上がらなくても、全体の生産性は上がります。現に、安倍政権の間、労働参加率は上がりましたが、労働生産性はそれほど上がりませんでした。

安部政権の間に増えた労働者は、非正規雇用者や最低賃金に近い低賃金で働く学生、高齢者が多かったので、生産性の低い労働者の構成比率が高まり、そのことが全体の労働生産性を低迷させることになりました。これは現実に起きた、まぎれもない事実です。

ポイント:MMTを提唱しているアメリカの学者たちが強調しているように、完全雇用になるまでは、財政出動による生産性向上効果はあると考えられる。一方、完全雇用が達成された後は、労働生産性を高めないといけなくなり、仮にこれが上がらなかった場合はインフレになって、生産性向上の効果は止まる。

国の借金は経済成長に悪影響を与えるか

反対意見3:GDPに対する国の借金が90%を超えると経済成長に悪影響

MMT提唱者の意見に従って、インフレになるまで支出を増やすことも可能かもしれませんが、単純に政府支出を増やすことが、どの国でも確実に経済にプラスになるかどうかは、また別の判断が必要です。

2011年に発表された「Growth and Productivity: the role of Government Debt」では、155カ国の1970~2008年のデータを分析して、GDPに対する国の借金比率が90%を超えると、経済成長に悪影響が出るというエビデンスが提示されています。

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