ワクチン登場で激変「買われる株」と「ダメな株」

下り坂をずり落ちるコロナ禍のスター銘柄

もっとも、デジタル関連銘柄の最近の値下がりは「ハイテクセクターの終わりを示すものではまったくない」とロイトホルト・グループのチーフ投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は話す。「経済全体の成長が勢いを増す中では、利益成長面でほかのセクターのほうが有利になるという相対的な話にすぎない」。

テック企業とその投資見通しをめぐって最大の論点となっているのは、コロナ禍で仕事と消費のパターンがどこまで恒常的に変化したか、だ。

確かなことは誰にもわからない。ただ、ハイテク産業の集積地として知られるベイエリアの技術者や投資家の間では、当然ながら、コロナ禍はテック企業にとって長期的な追い風になるとの見方が優勢になっている。

シリコンバレーのベンチャーキャピタル、アクセル・パートナーズのゼネラルパートナー、リッチ・ウォン氏によれば、これは「本当に確かな動き」だ。「デジタルトランスフォーメーションは実際、飛躍的に前進した。これにより、テクノロジーとベンチャー投資のチャンスも大きくなっている」という。

オンラインはまだピークを打ってない

株式市場の変化を受けて、スタートアップ企業の新規株式公開(IPO)計画が棚上げとなる可能性も指摘される。とはいえ、そうした中でも、小学生らに人気のゲームサイト、ロブロックスが10日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。コロナ禍の巣ごもり需要を受けて急成長している会社だ。1年前に40億ドルだった同社の企業価値は上場初日に450億ドルを上回った。

5日には、オンライン教育のコーセラも何週間後かの上場に向けて必要書類を提出した。コーセラと同社事業の支援者は、今後も社会人教育と技能研修のオンライン化が進行すると確信しており、投資家もそうした見方を支持すると考えている。提出書類によると、コーセラの売上高は昨年59%の大幅増を記録し、2億9400万ドルになったという。

今のところ、オンライン化の全体的な後退を示すデータはほとんどない。

アメリカの上位100サイトについて、サイト分析企業のシミラーウェブが昨年3〜4月(パンデミックでウェブ利用が急増した時期だ)と今年1〜2月のトラフィックを比較したところ、今年のトラフィックは12%以上拡大していることがわかった。つまり、オンラインはまだピークを打っていない。

エンデュランス・キャピタル・パートナーズのポートフォリオ・マネージャーを務める前出のリーダーマン氏は、テクノロジー企業の分析と投資で30年の経験を持つベテランだ。同氏は主に「経営のしっかりとした革新的なテクノロジー企業」と判断した会社に長期投資している。

そうした投資先の1つが、人工知能(AI)プログラムに適した特殊な半導体を手がけるエヌビディアだ。同社株は8日に大きく下げたが、その日の大引け後にベイエリアにある自宅オフィスから取材に応じたリーダーマン氏は、この下落局面で買い増しを進めたと語った。「市場は私たちの確信を深める機会を提供してくれている」と、同氏は静かに笑った。

(執筆:Steve Lohr記者)
(C)2021 New York Times News Services

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