コロナ禍の今、日本医療の特徴を考えてみる この国の医療の形はどのように生まれたのか

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こうした環境の中で、1962年に医療法改正により、公的病院病床規制が導入される。目的は、都市部の病床過剰地域における公的病院の新設・増床を規制するというものであった。ちなみに、民間病院への病床規制は、23年後の1985年の第1次医療法改正により導入されることになる。

戦後は、医療の需要面を社会化する公的医療保険が整備されていき、1970年代に入ると医療費の9割弱を税・社会保険料という公的資金が占めるようになるのであるが、一方で供給面では、自由開業医制を基礎に置く民間経営の私的提供体制という日本の医療保障制度ができあがっていった。

歴史的経緯が作っていった日本の医療のかたち

NHKの朝ドラで「梅ちゃん先生」が放映されていた2012年頃、このドラマの話をしながら、日本の医療の特徴の説明をしていた。第2次世界大戦末期の空襲により焦土となった東京の蒲田を物語の出発点とし、主人公が開業医として成長していく物語である。

日本では、梅ちゃん先生のようにスタートした診療所が、1961年施行の国民皆保険による患者の増加の中で、少しスペースを広げて病床を持ち、その病床もしばらくすると20床を超えて病院となって、民間中小病院へと成長していった。欧米では病院とは基本的に入院施設であって、外来部門を持たない病院も多いが、日本のほとんどの病院は大きな外来部門を持っている。日本の病院にとって、多くの標榜科を備えた外来部門は、入院患者への窓口として機能することになる。

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