「日経平均急落後の3月相場」をどう乗り切るか 市場の現状を知れば波乱でも「百戦危うからず」

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今後のポイントは3月本決算企業の1~3月期決算が発表される企業の数字(ゴールデンウィーク前後)がどうなるかだ。4月の時点で同月は「来期から今期になる」わけだが、新たな今期予想が出そろう過程で一気に変わる可能性があり、業績相場はこの1点に集約される。

一方、市場のセンチメント(心理)をよく表している代表的な指標に「裁定取引の残高」があるが、まず「売り残÷買い残」の倍率を見ると5.21倍(2020年6月12日)の異常値から1.02倍(2021年3月3日)と正常化している。一方、「ネット買い残」(買い残高-売り残高)もマイナス2兆1041億円(2020年5月22日)という売り残が異様に多い状態から、マイナス4041憶円(2021年2月26日)まで大きくバランスが改善している。

このように、裁定取引の残高から見る市場センチメントは、売り方の買い戻しが進み、ほぼニュートラルになったと言える。

長期金利の上昇は「当然の結果」

アメリカの最大のリスクは「長期金利の上昇」だが、10年債利回りが一時1.61%にタッチしたときの各連銀総裁の一斉コメントでは、セントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁はこの10年債利回りの上昇は「妥当」であり、アトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁もこのレベルの10年債利回りはなお「低水準」と言った。

またカンザスシティ連銀のエスター・ジョージ総裁はこの長期金利上昇は景気回復期待を反映した「良い金利上昇」であり、ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁も経済が景気対策とワクチンで力強く回復した「当然の結果」というものであった。

さらに、支援解除の議論は時期尚早(セントルイス連銀)、FRBの対応不要(アトランタ連銀、カンザスシティ連銀)とした。この金利水準は先週の5日に一時1.62%に更新されたが、直後に起きた「高PER(株価収益率)銘柄売り」と「景気敏感株買い」の戦いは、後者が勝っている。

以上のように、需給相場のエンジンはアクセルいっぱいながら、業績相場のエンジンは期待先行でまだ出力が上がっていない状態だ。

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