「この人の話は聞きたい」と思わせる人の要素 話の内容が面白い以前に大事なことがあった

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人間は、同じ内容の言葉を受け取っても、信用している人からのメッセージにはポジティブな反応を示し、信用できない人からのメッセージには不信感や反発心を抱くということが社会心理学の研究でも明らかになっています。

私が駿台予備学校に勤めていた頃、講義の内容をどう伝えるかと同じくらい大事にしていたのが、生徒との信頼関係でした。なぜなら、同じ内容の講義であっても、生徒からの信用があるかないかで、生徒の成績の伸びが変わってくるからです。信用されている講師の言葉であれば、生徒は前向きな方向へ行動します。

逆に、生徒が講師のことを信用できるかどうか探っている段階では、生徒は行動に移さないため、結果的には成績も伸び悩んでしまうのです。つまり、話し手が発する情報が信用されるためには、「話し手そのものに対する聞き手の信用度合いを高めることが必要」だとも言えます。

信用を得るにはどうしたらいいか

素性のわからない人の話は信用できないと思う人は多いのではないでしょうか。逆に、その人の「人となり」がわかりさえすれば、話の内容を信用しやすくなりますし、「また聞いてもいいかな」と思ってもらいやすくなります。信用が得られた結果、SNS上でフォロワーが増加したりもするのです。

それでは、自分(話し手)のことを相手(聞き手)に信用してもらうためにはどう伝えればいいのでしょうか?

聞き手の信用を得るために必要なのは、「わかりやすい自己紹介」です。ここでのポイントは「わかりやすい」です。逆に、ただ自己紹介をしても、その内容がわかりにくかったら、相手から信用してもらえないということです。

この「わかりやすさ」をベースにした自己紹介、つまり自分自身のことを自分で説明するためのフレームワーク(型)があります。これは、私が独立して間もない頃に、業界内外の方に初対面で自己紹介させてもらったときに多くの失敗をし、その経験を元に試行錯誤しながら開発したものです。

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