「キャンピングカーは優秀な防災シェルターだ」という話をすると「気が引ける」「周囲の目が気になる」という声を聞く。いわく、避難所で嫉妬されそう。自分たちだけ快適に過ごすのは居心地が悪い、というのだ。
確かに、災害に遭えば誰もが困窮する。人の目が気になるのもわかる。だが、キャンピングカーあるからといって、後ろめたい思いをする必要は一切ない。
もちろん、キャンピングカーをひけらかすような態度を取れば、トラブルにだってなるだろう。だが気にしすぎるのもどうかと思うのだ。
第一に、キャンピングカーオーナーは、決して安価ではないキャンピングカーに「投資」をしている。遊びの車だが、いざというときは役に立つ。そこを見越して、お金をかけて防災グッズとして備えているなら、投資に見合ったメリットを享受して悪いはずがない。ある意味、保険と同じだと考えればいい。
しっかり休めば医療にも負担をかけずに済む
第二に、キャンピングカーの所有者がそれを使うことで、避難所側の負担が減るということ。家族でキャンピングカーに避難すれば、避難所にはひと家族分の余裕ができる。食料や水、生活用品の支援物資も、キャンピングカーにいるからといって受け取れないということはない(指定避難所外避難者、という制度ができている)。
また、キャンピングカーでしっかり身体を休めて健康を維持できれば、医療に負担をかけることもなくなる。あなたと家族が元気でいるだけで、医療、避難所インフラ、福祉など、限られたリソースを消費せずに済むのだ。
これまでは「被災したら避難所に入るもの」だと思われてきた。しかし、度重なる大規模災害で、用意した避難所インフラだけでは賄いきれないこともまた、わかってきた。
そのため行政も、車や倒壊の危険がない自宅に避難することを認めるようになってきているのだ。
災害時、自らの命と健康を守るために頼れるのは、自助・共助・公助の順番だ。普段は遊び道具として楽しめて、避難場所としても活用できるキャンピングカーは、究極の「自助」だと思うのである。
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