コロナ禍こそ物流に巨額投資しないとヤバい訳

加速する消費者の変化に対応できないリスク

コロナ禍で物流戦略がますます重要になっています(写真:一井純)
コロナ禍での外出自粛は、流通小売業界にも大きなダメージを与えています。「流通の変化が求められているのに、物流がボトルネックになっている」と話すのが、イー・ロジット代表兼チーフコンサルタントの角井亮一氏です。ではどんな施策が必要なのか。今年2月に開かれた「イー・ロジット新春セミナー」の講演内容を基に、角井氏が解説します。

「置き配」の登場という大きな変化

2019年12月から徐々に経済に影響を及ぼしている新型コロナウイルスの感染拡大ですが、物流業界にも大きなインパクトを与えています。

宅配での大きな変化は「置き配」が登場したことです。届いた荷物を玄関先に置いてほしいとインターフォン越しに頼む、最初から置き配にするなど、非接触が推奨されるなかさまざまな場面で必要とされています。

西武百貨店では、混雑を避けてコインロッカーで荷物を受け取る実証実験を始めました。不在時の再配達はドライバー負担にもなるので、置き配により軽減されていくと思います。

世界に目を向けたときの大きなトピックは、昨年11月の「W11(中国ECシングルデー)」で、中国EC大手の「アリババ」が開催した4日間のセールで売り上げが7.9兆円に達したことです。楽天市場の年間販売が3.8兆円、百貨店5.7兆億円、セブン-イレブン5兆円(ともに2019年)ですから、いかに大きいかわかります。

W11の2019年の売り上げは4兆円で、2020年の予想は6兆円でしたが、実際は2倍を記録。2009年の開始当時は27ショップが参加し売上8億円だったのが、12年で1万倍に成長しました。

2019年のW11の宅配数は18.8億個で、2020年は23.2億個にものぼり、日本の年間宅配数43.2億個に比べると膨大な量。これを10日間で配送するために、アリババは700機の航空機をチャーターしました。

近隣のロシアはもちろん、私が顔見知りの日本在住の中国人もW11で大型テレビやサウンドバーを買っています。世界中に届けるため、航空機をこれだけ利用したわけです。ここからも、巨大なECを支えるには物流がいかに大事かわかります。

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