コロナ禍こそ物流に巨額投資しないとヤバい訳 加速する消費者の変化に対応できないリスク

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アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は、2013年に「1.3兆円をかけて中国の宅配を変える」と明言しました。アマゾンは創業から2012年までに1.3兆円かけたので、対抗意識があったのかもしれません。さらに、2018年の「グローバルスマートロジスティクスサミット」でも1.7兆円を追加投資すると述べ、計3兆円で物流強化に取り組みました。

ただし、アリババが取ったのは、自身でインフラを持たず、トラックや運転手は中国内の5大宅配会社に任せる手段です。彼らは、物流プラットフォームの「菜鳥(ツァイニャオ)」を立ち上げ、宅配事業者と連携を図りました。2018年のサミットに登壇した際にマー氏は「中国国内は24時間、世界中に72時間で届ける」というベンチマークを立て、それを実現すべく取り組みを加速させています。

日本の場合は東京から鹿児島に運ぶだけで1.5日かかるので、さらに広大な中国で実現するのは、かなりの野望だと思います。

一方、アマゾン自身は82機のチャーター機を保有し、世界中で計2100万平方メートルの物流センターを抱え、新たに建設中の拠点もあるほどです。これも相当な規模で、アリババにしてもアマゾンにしても、彼らが物流をいかに重要視しているかがわかります。

コロナ禍で流通のあり方が激変

日本でもコロナ禍により流通のあり方が変わり、一気に時代が加速した感があります。例えば昨年、紳士服大手の青山商事は400店舗の縮小、160店舗の閉鎖を発表しました。もともと青山理社長は10年後にスーツの需要は4割減ると予測し、カジュアル衣料を展開するなど準備を仕掛けていましたが、コロナ禍でそのスピードが加速したわけです。まさに「タイムワープ」です。

同じようなタイムワープはデリバリーの世界でも起きています。それを如実に表すのがウーバーイーツの利用拡大です。コロナ前は出前よりもテイクアウトが主流だったのが、今ではスマホで注文して届けてもらうのが日常です。

アメリカでは2016年の時点で、レストランで作る料理の15%がデリバリー向けというデータがありました。今後は日本でも増えていくと考えていたのですが、それが一気に進み、ウーバーイーツは将来取るべきシェアを先取りした格好です。

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