学生は、自己PRの中身が評価されると考えているかもしれない。もちろん内容は大事なのだが、もっと大切なことがある。相手に与える印象だ。一般的な会話なら、「楽しい」「面白い」がプラスポイントだ。面接では別の要素が重要だ。面接官のコメントからキーワードを拾うと、的確、端的、明快、理路整然、論理的、ロジカルな話し方で、具体的根拠でビジョンを語る学生への評価が高い。
では、どうすれば理路整然という印象を与えることができるのか?
基本は「起承転結」。4コマ漫画でも「起」「承」があり、「転」で別の視点が入って、「結」でオチになる。起承転結があるとストーリーが自然に響き、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、志望動機などのトークに使える。
5W1Hを意識することもいいトレーニングになる。新聞の記事は、Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の要素を盛り込んで作られている。ニュースや解説記事に目を通してほしい。声に出して読み上げるのも言葉のリズムを知るために役立つだろう。友だちと模擬討論を行い、5W1Hを満たしているかどうかチェックしてもいいだろう。
数字を入れると効果的
数字を使うと話が具体的になる。歴史の年号でも日本の人口でもいい。数字を入れたうえで「仮に~」と仮定命題を立てるとロジカルな印象が増す。
志望企業の業績を絡めてもいい。「会社説明会の内容をよく理解し、自身の入社後の将来像を語れる、計画を持っている学生」(情報・通信・300人以下)のように、研究して面接に臨む学生へのポイントは高い。ホームページなどで情報を入手、咀嚼して企業理解を深め、「御社は~だが、わたしは入社後に~したい」と入社動機と意欲を具体的に語ってもらいたい。
毎年の「評価の高い学生」コメントで多い単語は、「意欲」「バイタリティ」「元気」「自分の考え」「自分の言葉」「誠実さ」などだ。2021年卒でもこういう言葉は多いが、例年より少なくなっている。代わって増えたのが、「しっかり」「ハキハキ」や「ロジカル」「的確」などのワードだ。
面接形式が対面からオンラインになったことで、面接官の観察ポイントが変化しているように感じる。論理性と具体性を備えたトークが評価される。企業理解と業界理解を深めることが必要だ。
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