以降、多かれ少なかれ新しい状況に自分を適応させる努力が、物心両面でなされたはずである。いわば「非常時への適応」が広く推奨されたわけである。だが、当たり前だがコロナが収束すれば、今度は「日常への適応」が必要になる。これは自然災害などに遭遇したストレス反応の経過における「再適応期」に当たる問題として捉えられる。
4段階の心理的回復プロセスに当てはめると
災害の心理的回復プロセスは、一般的に「英雄期」「ハネムーン期」「幻滅期」「再建期」の4つに分けられるという。
地震や風水害などの自然災害と異なり、感染症の流行などの生物災害(欧米ではパンデミックは感染症災害として扱われる)は、現象そのものが短期間ではなく長期間にわたり、流行の状況や被害の範囲にも左右されるため、必ずしも前述の心理的回復プロセスの通りに進行するわけではないが、「英雄期」「ハネムーン期」を災害への「適応期」、「再建期」を日常への「再適応期」と解釈すればわかりやすいだろう。
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